予算審査特別委員会にて①〜川崎市「行政手続のオンライン化」〜

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予算審査特別委員会での質問の様子

 

みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

2月15日から始まった市議会第1回定例会も3月19日閉会に向けて、終盤に差し掛かっています。現在、連日に渡って予算審査特別委員会が開かれ、各議員の質問が行われています。
 

定例会全体のイメージをお伝えすると、通常の議案提出に加えて、「新年度予算案」という議案が加わっているのが第1回定例会の特徴です。

「予算」「決算」に関する議案は、通常の議案に比べてボリュームも多い為、全議員が参加する「特別委員会」を定例会中に含めて開催し、審査を進めていくイメージです。なので、「予算審査特別委員会」「決算審査特別委員会」という言い方になるわけですね。

 

さて、今回当方が予算審査特別委員会で取り上げた内容をいつものように報告していきたいと思います。今回取り上げたのは、以下3テーマとなります。

 

  • 電子市役所整備事業〜行政手続のオンライン化〜
  • 特定生産緑地指定推進事業〜2022年問題に向けた取組〜
  • 宮前区総合防災訓練〜医療・福祉団体との連携強化に向けて〜

 

【デジタル化】【都市農業】【防災】、それぞれの質問をさせて頂きました。

 

行政手続のオンライン化については、以前も鷺沼駅再開発に伴う計画の中で、機能強化に向けた検討が進められている向丘出張所に関する手続の強化といった視点で、以下のような記事を書いています。多くの方から反響も頂きました。ありがとうございます。

 

【鷺沼駅再開発】向丘出張所の機能強化について〜行政手続きサービス編〜

2021.01.13

電子市役所整備事業費〜行政手続のオンライン化〜

新年度から発足する35名規模の川崎「デジタル推進室」

以下、質問と答弁を記載させて頂きます。

 2款2項7目、電子市役所整備事業費について、総務企画局長に伺います。新年度予算案では、電子市役所整備事業費として約30.5億円が計上されています。
我が会派の代表質問において、行政サービスの利便性や質を一層向上させるため4月から総務企画局に「デジタル化推進室」を設置していく答弁がされました。これは、国が掲げる自治体DX推進計画に則った取組ですが、新たに設置される「デジタル化推進室」の役割、規模、特徴を伺います。
 また、代表質問の答弁では「約2,500の手続のうち、約半数が対面の審査や押印、膨大なデータの書類の添付が必要などオンライン化に向けた課題があるという回答になっている」とお答え頂いていますが、同時に約半数の手続が窓口のみであることを課題としているように聞こえます。(今後、急速に進む事業ですが、対面窓口を完全に無くす事は、一つ一つの業務を見ていくと難しいのは明らか)
「行政手続きのオンライン化」は、市民目線で具体的に何がどこまでどのように手続が出来るようになるのか、定義を伺います。

 

◎総務企画局長の答弁


 はじめに、デジタル化推進室についてでございますが、国の自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画に定められている「行政手続のオンライン化」や「テレワークの推進」、「システム標準化・共通化」等の6つの重点取組事項に対応しながら、市役所全体の業務プロセス改革を進め、約2,500種類ある行政手続の原則オンライン化や区役所窓口等における決済のキャッシュレス化、テレワーク環境の整備等にスピード感を持って取り組むため、新たに整備するものでございます。
 組織の規模等につきましては、部長級である室長を筆頭に、ICT推進課及びシステム管理課で構成する兼務組織と併せ、35名程度になる予定でございまして、今後、デジタル化推進室を中心に、働き方・仕事の進め方改革プログラム等の関連計画に基づく取組との有機的な連携を図り、外部の知見等も活用しながら、市全体のデジタル化をより一層推進してまいります。
 次に、行政手続のオンライン化の定義についてでございますが、市民や事業者の皆様が、パソコンやスマートフォンなどから、インターネットなどの通信回線を利用して、市の機関等に対して行う申請等をオンラインにより行われた手続としておりまして、ネット窓口かわさきや、今後導入予定の簡易な電子申請ツール、市ホームページのマルチフォームなどで申請されたものが該当するものでございます。

 

次年度末には交付率50%!?(現在28%)

 市民文化局長に伺います。今後のオンライン化に向けた進め方についてでは、「スピード感を持って取組を進めるため、まずはオンライン化に向けて課題が少なく、市民利用が多い手続から順次オンライン化を進めてまいりたい」と代表質問では答弁頂きましたが、同時に重要視すべきは、「マイナンバーカードの普及促進」に向けた取組です。
 自治体DX推進計画では、マイナンバーカードについて次のように書かれています。
「UI部分のデジタル化を進める上で重要なのは、住民の本人確認をオンラインで行うことである。市町村長による確かな本人確認を経て発行される最高位の公的な本人確認ツールであるマイナンバーカードの普及拡大が社会全体のデジタル化のカギを握っていることから、国は地方公共団体と協力して、マイナンバーカードの普及に全力を挙げて取り組む。
 現在の本市におけるマイナンバーカード交付率は約28%とのことで、直近で申請件数に急激な伸びがあるとのことです。様々な国の施策が影響していると推察しますが、仮に申請数の勢いが継続したと仮定した場合、来年度の交付率は何%となるのか伺います。
 また、令和4年度末にはほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることをデジタル庁は目指しています。大量の申請業務に対する交付にあたっての現状課題を伺うと共に、普及の状況を踏まえたさらなる取組を行っていく必要があると考えますが、見解を伺います。

◎市民文化局長の答弁


 はじめに、交付率につきましては、来年度の申請件数を、今年度と同程度の25万件と想定した場合、累計交付枚数は約80万件となり、およそ50%程度となります。
 次に、交付申請に対する現状等につきましては、これまで、国の施策等に合わせ、マイナンバーカードセンターの整備や区役所の体制強化などを行いながら、対応してきたところでございますが、現在、申請件数がさらに増加しておりますので、一層の強化に向け、交付予約枠の拡充をはじめ、要員や統合端末、交付場所の確保等が課題となっております。
 今後は、大量の申請を適切に処理するとともに、申請状況を詳細に分析したうえで、区役所と連携しながら、より多くの市民の方が円滑にカードを取得していただけるよう、対応策について検討してまいります。

誰もが利用出来る「オンライン化手続きへ」/向丘出張所の機能強化に向けて

 マイナンバーカードの交付率が今後急激に上昇していく事に現場事務負担を考慮に入れながらしっかりと体制強化を図って頂き円滑な業務遂行をお願いしたいと思いますが、次の段階として、どのような方々が申請されずに、残っていくのかを分析し、対象範囲を絞ったアプローチを考えていく事が求められてきますので、並行して善処していただきますようお願い致します。
 
 続けて、市民文化局長に伺いますが、今後「行政手続きのオンライン化」は、令和4年度末を一つの目標にし急速に進んでいきます。インターネットに接続出来れば自宅でも職場からでも手続が出来るようになる一方で、デジタルデバイド対策が非常に重要になります。取りこぼす事なく、誰もが、手続のオンライン化による利便性を享受できる仕組みが必要であり、その拠点となり得るのが、既存の支所・出張所等だと考えています。
 具体的には、オンライン手続支援要員を配置し、インターネットに接続した行政端末の操作から入力、申請までをサポート出来るようにするなどの取り組みです。行政手続きのオンライン化・行政のデジタル化の動向を見据えた区役所・支所・出張所の在り方を検討していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 とりわけ、現在宮前区においては、向丘出張所の在り方検討が進められています。来年度中に基本方針策定を目指していますが、行政手続きについてはこういった点を十分に考慮した方向性とすべきですが、見解と今後の取り組みを伺います。

 

◎市民文化局長の答弁


  行政手続のオンライン化を見据えた区役所等のあり方についての御質問でございますが、本市では、「区役所と支所・出張所等の機能再編実施方針改定版」に基づき、手続の種類によって、区役所と支所・出張所を使い分けることなく、1箇所で必要な全ての窓口サービスを提供できるようにするなど、わかりやすく利便性の高い窓口サービスの提供に向けた取組を進めておりますが、行政手続のオンライン化に伴う、デジタルデバイド対策の1つとして、区役所等での対応のあり方についても、検討していく必要があるものと考えております。
 また、向丘出張所の機能のあり方につきましては、令和3年度中の「(仮称)向丘出張所の今後の活用に関する方針」の策定に向けた取組を進めているところでございますので、令和4年度末を目指した行政手続のオンライン化の動向とも整合を図りながら、検討してまいります。

 

今後について

 現在、川崎市では「区役所と支所・出張所等の機能再編実施方針改訂版」に基づき、区役所での行政手続き一本化を方向性として再編を進めてきました。
 
 答弁では、「1箇所で必要な全ての窓口サービスを提供できるようにするなど」とお答え頂いていますが、私は、この「1箇所で全ての窓口サービスを提供するという考え方」と、今回提案した「出張所等をオンライン手続の拠点とする考え方」が方向性の異なるものとは思っていません。今後の社会動向を鑑みれば、寧ろ合致してくる考え方だと思っています。(イメージとしては、窓口サービスを一括して処理するのは区役所である一方、オンラインで可能な申請については、手続が行える拠点整備)

 

 今回のやり取りは、市議会では初めての議論となります。
 「向丘出張所の機能強化」に向けては、アイデアカイギなど区民意見を聞く機会が設けられていますが、やはり出張所である限り、区役所の出張所として、手続関係サービスは残すべきですし、現在の証明書発行業務だけとはすべきではないと考えています。

 

 証明書発行サービスも以前の記事でも少しお伝えをしましたが、コンビニ発行が急速に伸びてきています。令和2年度ではその取扱件数はざっくり10万件〜13万件(※令和2年度数字が1〜3月が未集計の為)にも昇っています。
 市内にあるすべての出張所で取扱っている件数が令和元年度で約14万件。こちらは年々右肩下がりとなっています。逆にコンビニ発行は、年々右肩上がり。
 上記の10万〜13万という数字はマイナンバーカード交付率20%台での数字ですので、これが急速に伸び続けていく事が予想されます。

 

 行政手続として、証明書発行業務だけを行っている出張所はその機能の在り方を見直して行かなければならないわけですが、その方向性は決して「出張所から業務を無くす」ではなく、従来のサービスに加えて必要な「手続サービスを拡充していく事」が求められると考えています。

 今後も「行政手続のオンライン化」に関する課題は、継続してご報告していきたいと思います。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

自民党代表質問より〜ワクチン接種、令和4年度末を目標に行政手続原則オンライン化、GIGAスクール等〜

2021.03.07

【鷺沼駅再開発】向丘出張所の機能強化について〜行政手続きサービス編〜

2021.01.13

 

 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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