環境委員会視察②〜京都府京都市の食品ロス削減に向けた取組〜

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
 
昨日に続き、視察報告となります。
本日掲載していきたいのは、以下の内容について。
 

  • 京都府亀岡市〜プラスチックごみゼロに向けた取組〜
  • 京都府京都市〜食品ロス削減に向けた取組〜
  • 大阪府大阪市〜阪神港における国際コンテナについて〜
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    なぜ京都府京都市に!?「しまつのこころ条例」


     日本を代表する観光都市でもある京都市は、ごみ行政に対する様々な取り組みを展開しています。その一つとして、「しまつのこころ条例」であり、食品ロス問題に対する取り組みです。
     
     京都市は、平成28年度までにピーク時のごみ量(平成12年度82万トン)の49%を削減しました。一方で、資源・エネルギーの有効利用や環境負荷軽減、ごみ処理コストの最小化などを図るため、クリーンセンター(焼却施設)を5工場から3工場に減らすこととしており、大規模改修の際には2工場で処理する必要があることや、最終処分場を長く活用するために、さらなるごみ減量が必要とされているのが現状です。
     
     そういった中、「食品ロス」の削減を大きな柱と位置付け、ピーク時から概ね半減さえるという削減目標を全国で初めて設定した「新・京都市ごみ半減プラン」を策定し、また「京都市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例」を改正、愛称「しまつのこころ条例」と銘打って、取組を進めています。
     
    こういった取り組みを視察することで、川崎市におけるごみ行政、食品ロス問題に対する取り組みに役立つと考え視察を実施しました。
     
    川崎市における食品ロスの取り組みや国においての取り組みなどは、以下過去の当方ブログをご参照頂ければ幸いです。

    川崎市の食品ロス削減に向けた取組み

    2019.06.06
     

    京都市の特徴は、家庭ごみ・事業系ごみの「実態の把握」


    京都市のゴミ行政施策の特徴は、家庭ごみと事業系ごみの「実態の把握」にあると今回の視察を通じて、私は感じました。
    以下にざっと、京都市の特徴を記載します。
     
    ・観光ゴミが多く出る。大学の都市(10%が学生)のモラル啓発活動。
    家庭ごみの一人あたり、399g/日。政令指定都市平均500g/日。
    ・内陸なので最終処分場が埋め立てに活用することが出来ない。現在唯一ある最終処分場を少しでも長く活用していきたい。
    民間事業者が委託実施している家庭ごみ・事業系ごみの細組成調査(昭和55年度〜継続)。京都大学に分析に関する知見をいただき協力のもと実施している。この調査をもとに現状と課題がわかってきた。
    ・2020年39万トンが最終目標。分別を条例で義務化したり取組を進めているが、近年減少が鈍化してきている。市民の皆様にやれるべきことはやって頂いてるという現状。
    「しまつのこころ条例」を制定。市民と事業者の皆様に対し、ゴミ排出に関する様々な項目において「協力」→「義務」に引き上げているものもある。例えば、事業者はレジ袋の要否と必要枚数の確認や、市民にはマイバックの持参、レジ袋の使用辞退を努力義務にしている。2Rを中心とする取組。
    ・有料指定ごみ袋制を敷いている。1Lで45円。10枚入りで450円(京都市は平成16年頃ゴミ袋有料化実施。川崎市は無料)
    政令市最大規模!!食べ残しゼロ推進店舗「1400店舗近く」認定証・ステッカーの交付
    (市独自の社会実験)加工食品の販売期限の延長による食品ロス削減効果の検証(平成30年度)。賞味期限ギリギリまで実施した結果、食品ロス削減効果が31.8%の廃棄削減効果あり!行政が賞味期限ギリギリまで販売することを支援するだけで、信頼感が出ていると民間事業者の声。
    ・食品スーパー・コンビニから排出される食品ロスはやはり、コンビニが多い。市受入ごみの「食品ロス」6.2万トンのうち、事業所から3.6万トン排出されている。
    ・宴会、修学旅行での声掛けによる食べ残し減量効果の検証(平成29年度)、食べ残しに関する宣言を修学旅行時学校に行っていただくことで、京都市オリジナルエコバッグをお渡ししている。中々好評とのこと。
    ・フードバンク団体に市補助(立ち上げ支援、50万円上限。)市には2団体あるが、補助制度だけでは難しい。体制が貧弱なのが課題。保管庫や広報のお金に充てていただている。まだまだ周知等に課題がある。
     
    上記の中でも注目すべきは「大学と連携した細組成調査」だと感じています。
    この取り組みによって、家庭ごみではどんな割合でどんなものが捨てられているのか、食品ロスは何トンで何割なのか、食品ロスの内さらに手つかず商品がどれだけあるのかといった細かい調査を事業系ごみ含め、かなり多くのサンプル数を用いて分析をされています。
     
    これは、現状、どれだけの食品ロスが発生しているのかすらわからない(把握していない)川崎市にとっては、今後の取り組み促進にとって非常に重要な点だと感じました。
     

    参考:質疑等の様子


    ・食品ロス削減について、事業系と一般系で大きく分かれているがそれぞれの内訳は?事業系についてはどのように把握しているのか?
    →川崎市もやろうと思えば総量を把握することは出来るはず。やっていないだけかと考えている。ただ、その中の内訳は細組成調査をやらないとわからない。
     
    ・市内中心部(マンション世帯)、郊外一戸建て、もう一個。百世帯ずつ。事業系3百件程度もあわせて年間1千万円程度。袋の種類まだ細かく調べている。有料化していないドラッグストアの袋が多いとか、これをみて京都大学と議論してドラッグストアにお願いしにいかなくてはならないなぁといった議論をする。
     
    ・京都市の調査結果は全国に通じるものなのか?都市独自のものか?
    →大都市だと大体こういった形になってくるのでは無いかと考えている。
     
    ・「しまつのこころ条例」の概要、制定背景は?
    →レジ袋有料化実施した。1000平米以上、95%以上がこれに該当するので、ほぼすべて。ここが一番声があった。大型スーパーからは売上が減ってしまうという声があり反対が事業者化からでるが、平成27年施行後も売上が減ったという声は聞いていない。出ないように「全店舗一斉展開」という形で進めた。京都本社なら話は早いが、別の自治体に本社があるところからすると、なぜそこだけという議論があった。
     
    ・川崎市では学校区と町内会で古紙類回収を行っているが、京都市は民間回収業者が行っているのか?
    →京都市の場合は、民間回収業者が多く存在しているので市は支援している側
     
    ・フードバンクの立ち上げで、万が一なことが起きたらどうするのか?という部分はどう支援しているのか
    →難しいのが実情。責任問題もあるので、フードバンク団体にまかせているのが現状。行政とは広報支援が中心。
     
    ・マイバックを使っている職員がどの程度か啓発活動を抜き打ちで実施。
    →お昼休憩に3箇所・5箇所にわかれて市役所職員啓発を実施している。それでも8割程度。市職員にもまだまだ浸透していない感覚があるので、市民への周知はもっと課題。
     
    ・京都市では独自のお持ち帰り容器などの用意がある。具体的にはどういった取組なのか
    →持ち帰り推進店舗拡大を視野に、京都市で作ったものもありますよ〜というのでやったがあまり効果が出なかった。企業は大体自分たちで用意してしまうのが多い。京都のホテルでやれないかという指摘を受けているが、どうしても食中毒の問題がでたらというリスクも考え進まないのが実態。
     

     
    本日も最後まで読んでいただき、有難うございました。
     


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