みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
さて本日は、視察報告となります。
11月18日(月)〜11月19日(火)にかけて、以下の場所・テーマで環境委員会視察を行っています。
環境委員会視察は慣例で年2回行われています。一回は環境委員会委員全員、超党派での視察。
もう一回は環境委員会委員視察(会派視察)です。
今回は委員視察ということで、環境委員会所属の自民党3名(松原議員、吉沢議員、当方)での視察となります。
上記の内、亀岡市及び京都市の視察は当方からの提案で決定致しました。
亀岡市においては、平成30年12月に亀岡市と市議会共同声明で「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を実施しています。
地球規模の問題となっている海洋プラスチック汚染の解決に向けた取り組みを進め、2030年までに使い捨てプラスチックゴミゼロのまちを目指し、現在取組が進められています。
現在では国においても関連法が成立し、環境負荷の低いまちづくりを目指すことは本市においても喫緊の課題と考えています。長期的な取組が必要なこういった課題に対し、先進的な取組を進めている亀岡市を視察したいと今回に至っています。
近年、人口8万8千人台で推移しており、観光分野では、保津峡川下り、トロッコ列車など年間150万人の観光客が押し寄せ、食の分野では京野菜産地や亀岡牛が魅力的な亀岡市。どういった背景があって、こういった先進的な取組に繋がっているのかが、今回の視察でよくわかりました。
外から観る限り、非常に景観豊かな保津峡ですが、実際には漂着したごみ、プラスチックだらけだったとのことでした。加えて、川の水位があがったあと下がると、レジ袋断片が木に引っかかているというそんな状況だったそうです。
最初の動きは、たった2名の船頭さんだったそうです。
市では、2012年の海ごみサミットの際に、プラスチックごみにGPSをつけて5台放流させるという社会実験を実施したそうです。大阪湾まで1日で60kmも流れて、まちのごみが明日海へ行っているという現実を参加者全員で共有するといった取組もされました。当時、このサミット自体がなぜ海に面していない内地の亀岡市で行うのか?という声があったらしいですが、「発生抑制に努めていかなければならない」ということを広くPR出来たとのことです。
教育の分野では、ごみが分解するまでにどれくらいの時間がかかるか?というクイズを出しながら、子どもたちの環境学習につなげ、「保津川の日」というのを3月第一日曜日と決め、最大の清掃イベントを実施しており、エコ屋台(リユース食器使用の屋台)をやっているが、出るごみは3袋のみとのことです。
そういった背景の中で、環境という切り口から経済の活性化を一体的に考え「世界に誇れる環境先進都市」を実現していきたいと想いで、行政と市議会共同声明で「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」に繋がったとのことでした。
具体的な先導的プロジェクト「①マイバック100%めざそうプロジェクト、②リバーフレンドリーレストランプロジェクト、③いつでも、どこでも亀岡のおいしい水プロジェクト、④プラごみゼロでまちのしごと応援プロジェクト」、レジ袋禁止条例を来年度3月に市議会で制定に向け取組を進めているとのことでした。
成果としては、数ヶ月で約50万枚、消費者の80%がレジ袋辞退するというかなり大きな変化があったとのことです。これまでエコバック持参にポイントを付与するなどの施策も考えてきたが、レジ袋有料化の効果は大きいと改めて考えたとおっしゃっていました。
まち全体で進む取組も、一方で反対勢力もあります。
国に対しても訴えていますが、最後の抵抗勢力は「コンビニ」とのことです。(一社)日本フランチャイズチェーン協会との協議では、喧々諤々の議論がされています。国においてはレジ袋有料化が来年実施される予定ですが、プラスチック製レジ袋の定義がまさに焦点の一つでもあり、議論を重ねているとのことでした(国はバイオマス25%で対象外だが、亀岡市では水の環境でも土の環境でも分解できるものにしたい。ただ問題なのが、そういう素材がないのが現状で商品化されていない)。
亀岡市のスタンスとしては、禁止条例が制定された際にはレジ袋有料化に正式に協力して欲しいという話をしているそうです。
総じて、今回の取り組みはプラスチックという切り口ではあるが、決して局所的ではなく、亀岡ブランド力「シビックプライド」として、SDGsの観点からも様々な項目の方向性と合致した取り組みだと感じました。
他にも質疑応答であったり、さらに詳細な内容や資料といったものもあるのですが、ここでは掲載しきれません。正式な報告書として形にし、市民に公開していきたいと思っています。
本日も最後まで読んでいただき、有難うございました。