みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
今回は現在行われている第6回定例会において実施した一般質問内容について、ご報告させて頂きたいと思います。
川崎市議会においては、インターネット中継なども実施しているところですが、議場で用いたスライドなどは映らない上、中々ゆっくりと内容について理解をするといった意味では難しいものがあります。そういった部分においても、こういった活字での報告は非常に役立つという声を市民からも頂いています。答弁を含めて、「30分間」という発言時間、毎回時間いっぱいぎりぎりになってしまいます。
今回取り上げた内容は以下③点。
ー 特別支援学校に関して、近年複数件同じような「進学希望調査」に係る相談が続いています。その内容と浮き彫りとなった課題と対策を取り上げています。
②保護司の活動支援について
ー 更生保護行政において非常に重要な役割を担っている保護司。各区で保護司・保護司会の活動拠点、面談拠点の設置が求められています。更生保護サポートセンターの設置状況や、宮前区における検討状況を伺いました。
③地域公共交通計画(案)について
ー 従来から取り上げ続けていた「バス停へのベンチ・上屋設置拡充」、中々進まなかった市バス管理以外のバス停などへの方向性が示されてきました。Mobility as a Service(通称:MaaS)の取組についても取り上げています。
本記事では、「①特別支援学校就学に関わる課題について」をご報告させて頂きます。
①特別支援学校就学に関わる課題
それでは、以下実際に行った議会でのやり取りを記載させて頂きます。
① 現在特別支援学級に通っている小学6年生の生徒の保護者から、特別支援学校への進学先について、本年11月上旬に「第2希望の学校に決まった」旨の連絡が通学している学校から突然来たことに対し、第1希望としている学校への進学がなぜ叶わなかったのか?に対する納得できる理由もなく、困惑しているとの相談を頂きました。
家庭としては以前から、第1希望の支援学校への進学希望を学校長には口頭で伝えていたのみで、正式な希望調査や進学にあたっての様々な説明相談は一度も実施されず、また、進学に関しての音沙汰が長期間に渡って無いまま、今回の突然の連絡に至ったとのことです。
本件に似た相談を近年、複数件に渡って様々な保護者から受けています。生徒、保護者にとって憤りを感じて当たり前とも言える事案であり、由々しき事態が教育現場では発生していると考え、今回質問するに至りました。
先ず、教育次長に伺います。特別支援学級に通う生徒の進学先について、現在どういったプロセスで進学先が決定しているのかを伺います。また、第1回と第2回希望調査の役割と希望調査書に記載のある内容について伺います。併せて、その各学校において保護者から提出された希望調査の内容について、教育センターと情報共有をしているのか伺います。加えて、本件においてはなぜ希望調査が行われないまま、家庭からすると進学先が決定したとも取れる連絡となったのか伺います。続けて、教育委員会から各学校や特別支援学級担任に対し、進学先に関してどのような説明をこれまで行ってきたのか伺います。
はじめに、特別支援学校中学部への就学までのプロセスにつきましては、小学校6年次の5月末までに第1回進学希望調査を行い、その後、本人・保護者に学区の中学校及び特別支援学校の見学をしていただき、8月から9月にかけて第2回の希望調査を行います。その後、川崎市教育支援会議を経て、最終的に教育委員会が就学先の決定をいたします。
次に、進学希望につきましては、保護者が面談や相談票の提出により、希望する進学先を学校に伝え、その情報をもとに、学校が、希望する進学先や児童の障害の状態について一覧表にまとめ、総合教育センター特別支援教育センターへ提出することにより、進学先の情報共有を図っているところでございます。
次に、進学希望調査が適切に行われなかった理由につきましては、教育委員会では、年度当初に各学校に対して、本市内の県立及び市立特別支援学校の通学地域等を周知するための通知を発出しており、4月の特別支援学級担当者会をはじめとした学校関係者会議におきまして、進学相談の手順や留意点等について資料に基づき説明を行いましたが、調査方法や相談票の統一性を求めていなかったことから、当該校においては適切な調査が行われなかったものと認識しております。
(教育委員会推奨の流れ スライド1説明)
② 教育次長に伺います。「調査方法や相談票の統一性を求めていなかった」事が原因とのことですが、教育委員会が各学校に通知をしている適切な希望調査方法と本事案とではどう異なっていたのか伺います。
また、教育委員会がフォーマットまで提示し、各学校に活用を促している相談票が保護者の手は渡らず、一度も使われないまま、教育センターに進学先の希望等が伝わっていたことに対する見解を伺います。
教育委員会では、個別相談を実施したうえで、相談票を用いて本人・保護者の意向を把握することを推奨し、各学校に伝えてきたところでございますが、当該校におきましては、進学についての個別相談を実施せず、本人・保護者の意向を口頭でのみ確認しておりました。
教育委員会といたしましては、学校が就学先の希望調査を行う際に、個別相談の実施や統一した相談票を用いることを明確に定める必要があったものと認識しております。
③ 今後同様の事案が発生しないよう、特別支援学校就学に関わる手続きについて、しっかりとした原因分析に基づいた対策が必要と考えます。具体的にどういった方向性で対策を進めていくのか、教育長に見解と今後の取り組みを伺います。
また、進学にあたっては、小学校5年生になる頃には、中学進学に関する悩みや情報収集を実施している家庭が多いように考えます。特別支援学校進学に関する相談票については、小学校6年次からではなく、小学校5年次から説明会等、保護者に対する情報提供の場を設けていく必要があると考えますが、併せて伺います。
本件につきましては、進学希望調査が適切に行われなかったこと、本人・保護者、学校、特別支援教育センターの三者の情報共有が十分でなかったことが要因であるため、改善が必要と考えております。
教育委員会といたしましては、就学に関する手続きを統一するとともに、これまで活用してきた関連資料について、本人・保護者、学校、特別支援教育センターの役割を明確に示したものに改訂し、三者が就学先決定までの共通した見通しを持てるよう、小学校長会とも連携を図り、改めて各学校に対して周知徹底してまいります。
また、現在、多くの学校で小学校6年生から実施している就学相談につきましては、より早い段階から本人・保護者に対して適切な情報提供を行うとともに、教育委員会が示す手続きに則り、丁寧な相談を進められるよう各学校の取組を推進してまいります。
質疑応答のまとめ
今回議会で初めてこの問題が取り上がった事で、少なくとも2つあった課題について教育長答弁でそれぞれ見直しを図っていく方向性が示されました。
課題② 家庭への情報提供や、各間(学校・教育センター・家庭)の情報共有が不十分
「今後の対策」
これまで”推奨”であった就学に関する手続きを統一する方向性が示された。また、関連資料については、本人・保護者、学校、特別支援教育センターの役割を明確に示したものに改訂する方針が示され、三者が就学先決定までの共通した見通しを持てるよう、小学校長会とも連携を図り、改めて各学校に対して周知徹底が進む事となった。
今後同じような問題が発生しないよう、今回示された方向性を注視していきたいと思います。また、以前もお伝えをしてきましたが、私が議会で取り上げる内容はほぼ市民の皆様から寄せられた声がきっかけであり、そのきっかけから調査や確認を進めていった結果です。日々、本当に様々なご相談が寄せられていますが、「一個人の話」だと思って相談された話でも、実は市政に関わる話であるといったことは多くあります。
これからも、変わらぬ姿勢で取り組んで参りますので、活動にご注目頂ければ幸いです。
本日も最後まで読んで頂き、有難うございました。