川崎市の集中豪雨対策について!決算審査「まちづくり分科会」2
みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
まちづくり分科会2日目、建設緑政局分野の審査日となりました。初日に続き、トップバッターとして質問に立たせていただきました(分科会は座って質問するのですが…)
1.8款5項2目、雨水流出抑制施設の設置指導の状況及び活用について
2.8款2項4目道路整備費、都市計画道路横浜生田線(水沢工区)の進捗状況について
上記について、質問させていただきました。今日のブログでは、1の雨水流出抑制施設についてお伝えできればと思います。
雨水流出抑制施設ってなに?
本年7月に発生した九州北部豪雨災害が多くの人々に甚大な被害を及ぼしたことは記憶に新しいところで、年々、治水・浸水対策としての総合的な流域対策の重要性は増しています。
土地が森林田畑からコンクリート・アスファルトにかわっていくにつれ、雨水浸透機能が失われてきています。森林田畑は雨水を吸収し保持し、ゆっくりと河川に流していく機能を持っています。一方、コンクリートやアスファルトは、この雨水浸透機能を保持しておらず、雨をそのまま河川に流してしまいます。なので、集中豪雨時などの際は河川が耐えきれなくなってしまうという恐れが出てきます。
雨水流出抑制施設は、この雨水浸透機能を人工的に作り出しているもので、下図のように河川にじわりじわりと水を流していくという能力を持っています。私は、平成27年第3回定例会で、増加傾向にある集中豪雨等の被害を防ぐ目的で、設置指導が進んでいる雨水流出抑制施設が、果たしてしっかりと機能しているのかどうか、そのチェックが不十分であることを指摘させて頂きました。
当時の局長からは、雨水流出抑制施設について、今後の降雨対策に向けた一つの方策として検討する必要があるという認識と、設置年数を考慮した上での現状把握に取り組む旨、ご答弁があり、その後策定された新総合計画においても、総合的な治水・浸水対策として、雨水流出抑制施設の活用が明記されました。
ここまでが前置きで、以降実際の質問に移ってまいります。
質問① 市の雨水流出抑制施設はしっかり機能しているのか?
先ず、市内における雨水流出抑制施設の設置状況について伺います。また、施設がしっかりと活用できているかといった現状把握を目的とした予算「河川計画調査事業」が平成28年度計上、執行されましたが、具体的な事業内容と実施結果について伺います。
初めに、雨水流出抑制施設の設置状況についてでございますが、一定規模以上の開発行為や建築行為等に対し、「雨水流出抑制施設技術指針」等に基づき、設置の指導を行っており、これまでの実績としましては、官民合わせて約4,200件、このうち、約4,000件は民間事業者により設置された施設でございます。
次に、昨年度実施した河川計画調査事業の内容についてでございますが、雨水流出抑制施設の機能確認のため、民間の開発行為等により設置された施設のうち、100件を抽出し、現地調査を行ったところでございます。
調査の結果につきましては、良好な状態と考えられる施設は約6割ございましたが、それ以外の施設におきましては、落ち葉や土砂の堆積、施設の損傷等、改善の余地があることを確認したところでございます。
次に、昨年度実施した河川計画調査事業の内容についてでございますが、雨水流出抑制施設の機能確認のため、民間の開発行為等により設置された施設のうち、100件を抽出し、現地調査を行ったところでございます。
調査の結果につきましては、良好な状態と考えられる施設は約6割ございましたが、それ以外の施設におきましては、落ち葉や土砂の堆積、施設の損傷等、改善の余地があることを確認したところでございます。
質問② 約4割の施設をどのように改善していくのか?
100件を抽出し、現地調査を行ったところ良好な状態と考えられる施設は約6割で、約4割の施設、この標本調査結果を考えると、約1600件の施設で、改善の余地があると推測される調査結果でした。
平成25年5月改訂の雨水流出抑制施設技術指針では、「雨水流出抑制施設の維持管理は、施設の安全性と機能の持続性を確保するため、定期的及び緊急的な点検を実施し、機能低下や施設の破損等が認められた場合には、必要に応じた清掃及び修繕工事等を行ってください。」と記載があり、現状約4割で処置が必要ということはこの維持管理条項が上手く履行されていなかったわけですが、どのように改善を図っていくのか伺います。
平成25年5月改訂の雨水流出抑制施設技術指針では、「雨水流出抑制施設の維持管理は、施設の安全性と機能の持続性を確保するため、定期的及び緊急的な点検を実施し、機能低下や施設の破損等が認められた場合には、必要に応じた清掃及び修繕工事等を行ってください。」と記載があり、現状約4割で処置が必要ということはこの維持管理条項が上手く履行されていなかったわけですが、どのように改善を図っていくのか伺います。
雨水流出抑制施設は、雨水を貯留し、放流量を調整する目的で設置するものでございますが、落ち葉や土砂の堆積等により、本来の機能が十分に発揮できない場合もあることから、維持管理の重要性について、施設の管理者の方々に改めて認識していただく必要があると考えております。
今後につきましては、雨水流出抑制施設の機能や効果、定期的な清掃や点検の重要性などについて、市ホームページなどの広報媒体を活用するとともに、設置協議などの機会を捉えて広く周知を図ってまいりたいと存じます。
今後につきましては、雨水流出抑制施設の機能や効果、定期的な清掃や点検の重要性などについて、市ホームページなどの広報媒体を活用するとともに、設置協議などの機会を捉えて広く周知を図ってまいりたいと存じます。
今年度、川崎区と幸区の改訂版洪水ハザードマップを公表しました。他区については、今年度改訂、公表される予定とのことです。全市で官民合わせて4200ある雨水流出抑制施設の能力が、この洪水ハザードマップにどの程度反映されているのかといえば、公で管理している200箇所のみであり、残りの4000ある施設の能力分は洪水ハザードマップにおける浸水想定には加味されていないとのことです。
民間への設置指導により年々増加してきた施設が、特に集中豪雨などには効果を発揮していることは明白です。民間が維持管理すべき施設において、定量的にその効果を計測しそれをハザードマップに反映することは難しいのはわかりますが、是非市民がこういった施設のおかげで災害リスクが減少していること、そしてそれが約4割は活用されていないことが分かったわけですので、対策を進めていただきたいと要望致しました。
民間への設置指導により年々増加してきた施設が、特に集中豪雨などには効果を発揮していることは明白です。民間が維持管理すべき施設において、定量的にその効果を計測しそれをハザードマップに反映することは難しいのはわかりますが、是非市民がこういった施設のおかげで災害リスクが減少していること、そしてそれが約4割は活用されていないことが分かったわけですので、対策を進めていただきたいと要望致しました。
いま川崎市の話題の中心は、市長選挙とその同日に行われる補欠選挙(川崎区)、そして衆議院選挙です。これはこれでまた改めてこのブログでも少しずつ取り上げていきたいと考えていますが、市議会も定例期間中。大事な決算審査を進めています。
地方議員なんて目立ってなんぼと考える方もいらっしゃるでしょうが、それはそれで否定はしません。ただでさえ個性が強い議員。まさに十人十色です。
議員は議員として、「地に足をつけ自分のすべき仕事を変わらず続けていく」ことが持つべき姿勢だと私は考えています。
今日も最後まで読んでいただき、有難うございました。