一質③地域公共交通計画(案)におけるバス停環境の充実に向けて

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

前回に引き続き、一般質問で取り上げた内容についてご報告をして参ります。

 

①特別支援学校就学に関わる課題について
ー 特別支援学校に関して、近年複数件同じような「進学希望調査」に係る相談が続いています。その内容と浮き彫りとなった課題と対策を取り上げています。
 
②保護司の活動支援について
ー 更生保護行政において非常に重要な役割を担っている保護司。各区で保護司・保護司会の活動拠点、面談拠点の設置が求められています。更生保護サポートセンターの設置状況や、宮前区における検討状況を伺いました。
 
③地域公共交通計画(案)について
ー 従来から取り上げ続けていた「バス停へのベンチ・上屋設置拡充」、中々進まなかった市バス管理以外のバス停などへの方向性が示されてきました。Mobility as a Service(通称:MaaS)の取組についても取り上げています。

 
本記事では、以前から取り上げ続けていた川崎市内バス停におけるバス待ち環境の充実を主軸に、「③地域公共交通計画(案)について」をご報告させて頂きます。

 

過去記事については以下から、確認することが出来ます。

一質①川崎市のバス乗車環境をさらに良くしたい〜バス停へのベンチ等拡充について〜

2019.07.04

バス停にベンチを設置出来ないか?という要望について

2019.05.13

 

公共交通利用を促すなら、高齢者が乗りやすい環境整備を

以前も記事でお伝えしておりますが、「バス停で立って待っているのは辛い。〇〇バス停にベンチをつけて欲しい」。こういった話をよく高齢者の方々から伺います。
私自身、相談を受けた後現地に伺った際、先ず確認するのは「ベンチが設置できる環境かどうか」です。
 
川崎市の場合、ベンチ設置や上屋根には市が策定している「ベンチ等の占用規定」に合致している必要があります。
 
ベンチ設置後の歩道の有効幅員は2m以上あるのか(車椅子が通れるようにする為)
道路下にベンチ等を設置しようとした場合に邪魔となる埋設物は無いか(上下水道管など)

 
そして、上記に加えて物凄く大切になってくるのが、「どこが管理しているのか?」という事だと以前お伝えさせて頂きました。
 
簡単にまとめると、市内に多くあるバス停は、そのすべてを市が管理しているのではなく、民間バスが管理しているものがあるということです。そして、上記の要件を満たしていても、管理者の判断で設置が進まないということが起きているというわけです。市内バス停は大きく分けて以下4つに分類されます。
 

①【市バス管理】市バス単独路線のバス停
②【民間バス管理】民間バス単独路線のバス停
③【市バス管理】市バス、民間バス共同路線のバス停
④【民間バス管理】民間バス、市バス共同路線のバス停

 
①②は分かりやすいかと思いますが、③④は一般の市民から見ればどちらが管理しているのか分からない状態となっています。バス停設置の経緯(どちらが早いか等)によって、管理者が決まってくるとイメージしてもらって大丈夫です。
 
当方が問題だと思っているのは、②と④の民間バス路線については、「ベンチ等の占用規定」を満たしているのにも関わらず、その多くが「ベンチや上屋」が設置されていないということです。市バス管理におけるベンチ設置等は進んできましたが、利用者の6割が利用している民間バス停には設置が進んでいません。この点を以前から、議会では、市全体の交通政策を検討する「まちづくり局」とも議論をしてきました。
 
そういった中で、この度公表された「地域公共交通計画(案)」について、今回取り上げた内容を以下に記載させて頂きます。

 

以下、実際の質問のやり取り

 

矢沢たかお
 まちづくり局長に伺います。高齢化が進む中、高齢者が外出しやすい環境づくりを進めていくことは大変重要な取組みです。歩道幅員等条件を満たしたバス停における市バスのベンチ設置が進んできた一方で、民間バス事業者が管理するバス停における設置はこれまで進んでいないことを指摘してきました。以前もお見せした資料となりますが。昨年議会において取り上げた際、本市とバス事業者で構成する「川崎市・バス事業者連絡協議会」を意見交換を行く旨の答弁がされましたが、その後の検討状況を伺います。
 また、12月7日に公表された「地域公共交通計画(案)」では、その施策として「バス待ち環境の改善」の文言が具体的に記載されています。地域課題を認識し、計画に含めて頂いた事は大きな前進であります。具体的にどういった施策を展開していくことを想定しているのか伺います。
 
 はじめに、バス停におけるベンチの設置につきましては、「川崎市・バス事業者連絡会議」を通じて、道路幅員等の設置条件や整備後の維持管理など、整備に関する課題等についてバス事業者等と意見交換を行ってきたところでございます。
 次に、本計画(案)の中でお示ししております「バス待ち環境の改善」に関する取組につきましては、高齢化の進展等を踏まえ、誰もが利用しやすい交通環境の向上を図るため、地域との連携によりこうした課題等に対応し、利用者の多い停留所等を中心に、上屋やベンチの設置などの取組を推進するものでございます。
 
矢沢たかお
 続けて、まちづくり局長に伺います。ベンチ・上屋のさらなる設置拡充に向けて、今後は地域との連携を図りながら進めていく方向性自体は理解できますが、具体的にそれを地域のバス停に当てはめると様々な課題が浮き彫りになるかと考えます。例えば、地域公共交通(案)で示されているこの相模原の事例を参考にさせてもらうと、民地側にセットバックすることによりベンチと上屋を設置しています。相模原市ではどういった制度でこのような事例を作り出しているのか伺います。
 また、民地所有者に対して長期定期借地を結ぶ他、相模原の事例のようにフェンス等を作り直す費用をどこが捻出するのか、どこまでを行政として取り組み、どこまでを地域負担とするのか、こういった具体的な枠組みをどこまでイメージしているのか、制度創設に向けてのスケジュールを併せて伺います。
 
 相模原市における事例につきましては、バス停の上屋やベンチを設置するために必要な道路幅員が不足する等の課題がありましたが、土地所有者によるバス待ちスペースの無償提供や、周辺自治会による整備費用の一部負担など、地域の協力により、上屋とベンチが設置されたものと伺っております。
 本市におきましても、停留所の設置場所によっては、道路幅員が狭いために上屋やベンチを設置するための十分な空間が確保できない場合もあることから、隣接用地の活用等も含め、バス事業者等と調整を行うとともに、他都市の事例調査を行い、次年度から、バス事業者や地域との協働によるバス待ち環境の改善に資する制度の構築を含め、検討してまいりたいと考えております。
 

まとめ

これまで議会で提言してきた内容が具体的に活字として地域公共交通計画(案)に示され、市として「次年度から、バス事業者や地域との協働によるバス待ち環境の改善に資する制度の構築を含め、検討してまいりたい」とのことです。これは、課題解決に向けて大きく前に進んだと考えています。
今後はその方針をどのように実現していくのか?この点について、しっかりと中身を詰めていき、最終的にはバス停については、市バス・民間バス管理関係なく、しっかりとしたベンチや上屋の設置が進む事を目標にしていきたいと思っています。

 

地域の声がなければここまで突っ込んだ動きには繋がりませんでした。今後も継続して取り組んでいきますが、具体的にベンチ等を設置をして欲しいというバス停があればこれまでと変わらず、個別に調査等をさせていただきますので、ご連絡頂ければと存じます。

 

本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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