附帯決議のその後。川崎市小規模事業者臨時給付金(10万円)について

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

2,200億円規模の川崎市緊急経済対策の内容を取り上げた前回の記事をはじめ、非常に多くの方に見て頂き、「川崎市の財政状況」に加え、「川崎じもと応援券」の背景や問題点などもよく理解できたなど、ポジティブな反応も多数頂きました。誠に有難うございます。

 

5月臨時議会も終わり、市議会は明日から始まる6月定例会の準備に入っています。我が会派においても、臨時会閉会数日後から6月議会に向けた準備を進めています。

 

今回は、以下2点について皆様にご報告、お伝えしていきたいと思います。

 

1.先般の市議会臨時会で求めた附帯決議、「川崎じもと応援券(プレミアム商品券)」に加え「小規模事業者向けの支援金」は、その後どうなったのか。
 
2.「川崎じもと応援券」に寄せられたご意見とそれに対する回答
 
3.今後の議会について

 

それでは、一つずつお伝えしていきたいと思います。
宜しくお願い致します。

 

附帯決議のその後、「小規模事業者臨時給付金」について

 結論から先に申し上げると、他都市同様、小規模事業者向けに10万円給付が事業化されることになりました。

 

 明日から始まる令和2年第4回川崎市議会定例会で上程され、予算議決される予定となっています。申請受付期間は、令和2年5月25日(月)〜令和2年8月31日(月)までとなっています。
詳細は以下URLから川崎市公式ホームページをご確認下さい。
 
川崎市小規模事業者臨時給付金について

 

 小規模事業者向けの現金給付施策は、全国政令指定都市でも行う予定になっていなかった都市は川崎市だけでしたので、これにより全政令市で同じような取り組みをする形となります。

 

 川崎市の場合、元々の「川崎じもと応援券」が無くなったわけではありませんので、こちらも詳細決まり次第、お買い求め出来るようになるはずです。

 

 今回の小規模事業者臨時給付金ですが、その財源は「市減債基金からの切り崩し」となります。予算措置としては「20億円」と聞いています。予算根拠は、平成28年度の経済センサスに基づき、市内の小規模事業者を約27,600事業所、そのうちの約3分の2の約19,000事業所に、10万円給付し、事務経費等を加えた金額が根拠になっています。

 

 なぜ市内の小規模事業者の3分の2なのか?
 これは近隣他都市の給付金と同様、国が実施している持続化給付金の対象にならない小規模事業者を支援することを目的にしている制度となっている為です。

 

 このブログでも再三取り上げていますが、本来であれば、将来の市債償還の為に積み立てていた基金ですので、「切り崩し自体を議会としても認めた」ことは正に緊急事態であると考えているからです。

 

「川崎じもと応援券に寄せられたご意見」

◯宮前区在住Aさん
 一万円で一冊購入すれば三千円お得、とのことで、それってどうなんだろう?と疑問に思っています。というのも、使えるお店が限られてしまうと購入するだけ損だと思うんです。

 

 川崎区にある銀柳街のような大きな商店街は宮前区に無いですし、お隣の高津区にある溝の口駅前商店街でも、あまり主婦が利用できるようなお店は無く、市内限定でもいいので、マルエツやローゼン等のスーパーやクリエイトとかフィットケアデポ等のドラッグストアでも使えるように調整してもらえた方がたくさん使えて助かるな、と思っています。

 

 今のままだとクーポンの魅力が無いので、その辺はどう考えていらっしゃるのかな?と。それが無理なら、国からの10万円にプラスアルファで市から3万円とか乗せてもらった方が、使うお店の縛りが無い分、主婦的には大助かりなんですよね。

 

◯矢沢たかおの回答
 ※あくまで「矢沢たかお」の個人的意見として回答させて頂いています。会派を代表しての見解ではないので、その点ご理解下さい。

 

 お問い合わせ頂き、有難う御座いました。
 当方の妻もこのプレミアム商品券が出た際、近しい意見を持っていました。主婦だけでなく、飲食店や事業者側ではない消費する側の市民感覚としての当然のご意見かと思います。

 

 消費者側として考えると同感する話である一方で、今回の「川崎じもと応援券」の目的はどういったものだったのかを再確認させて頂くと、市のホームページには以下のようにあります。

 

 「『川崎じもと応援券』は、特別定額給付金の給付にあわせて、新型コロナウイルス感染症の影響により売上が大幅に減少している飲食店や生活関連サービス等における消費を促し、市内循環を図ることで、早期の経済回復を目的として発行するプレミアム付の商品券です。」

 

 目的は、あくまで「売上が大幅に減少している飲食店や生活関連サービス等事業者への支援」であることがわかります。

 

 国民の生活支援が目的である、国の特別定額給付金(10万円給付)とは性質が異なるものと当方は捉えています。消費者目線で申せば、ドラッグストアや大手販売店などでも使えることが利便性もあり、活用の幅が広がり嬉しいことは間違い有りません。

 

 「川崎じもと応援券」は寧ろ、市民の力(消費)で地域の飲食店や小規模事業者を支援しましょう!!というのが施策意義となっております。対象店舗を様々に広げて使い勝手の良いものにしようという気持ちはよく分かるのですが、一定の線引きすることは重要なことだと思っています。
 ※川崎じもと応援券自体が、このタイミングで実施すべき支援策として適当なのか?この問題については、前回の記事で記載したとおりです。

 

 

緊急経済対策「川崎じもと応援券」がなぜ問題なのか

2020.05.15

「今後の議会について」

 明日から始まる第4回川崎市議会定例会ですが、先ず、6月1日(月)は提案説明から行われます。その後、6月3日(水)には上記の小規模事業者向け臨時給付金などの議案を全体の議案と切り離し、先行して質疑を行い、採決していく予定です。

 

 その後、6月第2週は各会派の代表質問が行われ、第3週にかけて上程議案の議決が行われます。すべての議案の議決が終了後、市政一般に関する各議員個別の一般質問といった流れで6月後半まで議会が開会されます。

 

 議会は外から見ている以上に、本会議や委員会が開かれていない日での水面下の動きや、原稿執筆やすり合わせ等、膨大な準備時間が必要となってきます。無論、これは各議員による一般質問もそうですが。

 

 また、本ブログでも議会の様子などを取り上げて皆様にご報告出来ればと思っています。

 

今回も最後まで読んで頂き、有難う御座いました。
 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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