一般質問② 障害者グループホームの申込情報一元化について〜待機者情報の把握とマッチングの最適化〜

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

川崎市議会第2回定例会も本日で最終日となりました。
正副議長を除くほぼすべての議員が持ち時間をフルに使いながら、多角的で専門的な議論が行われたと思います。

 

この30分の時間を最大限活用する為に、どれだけの時間を調査等に充てているのか。
当然、会派においては代表質問もありますし、提出議案の審査、調査もあります。
議会期間はそれが最も大切な仕事であります。

 

新本庁舎になり、議場も新しくなったからでしょうか。
市議会の傍聴を希望される方も増えている印象があります。

 

今後も市民生活の向上に資する活動を続けてまいります。

 

さて、前回に引き続き一般質問で取り上げたテーマについて、ご報告させて頂きます。

 

① 狭あい道路の拡幅整備事業について
 平成29年以降取り上げてきているテーマです。狭あい道路は、日常生活していくうえで、通行上、環境衛生上の問題があるばかりでなく、地震や火災などの災害時には消防、救急活動に支障をきたす恐れがある為、多くの自治体で狭あい道路解消に関する事業を推進しています。
 今回の質疑では、本市の取組の現状。目標設定の重要性。他都市との比較と評価の重要性を中心に伺っています。
 
② 障害者グループホームの入居希望者情報の一元化について
 こちらもかれこれ6年間追いかけているテーマ。本市は市制100周年の本年、人口155万人を突破しましたが、身体・精神・知的、各障害者手帳取得者も確実に増加をしています。グループホーム定員数・施設も増やしてきているのですが、施設計画に重要であるはずの「待機者数」を市として把握していないことを先ず、問題視しています。そして、「待機者数」の把握に加えてグループホーム入居希望者情報の一元化をする事を提案してきました。
 
③ 都市計画道路横浜生田線(水沢工区)開通に向けた状況について
 川崎市第2期道路整備プログラムで令和7年度開通目標となっている「都市計画道路横浜生田線(水沢工区)」についてです。議員1期目から取り上げ続けてきた地元積年のテーマ。令和7年度開通に向けた取組状況を伺いました。

 

今回の記事では、「② 障害者グループホームの入居希望者情報の一元化について」議会でのやり取りを報告させて頂きます。

 

それでは、以下議会でのやり取りをご報告させて頂きます。

 

一般質問② 障害者グループホームの申込情報一元化について

矢沢たかお
本テーマについては、平成30年12月議会一般質問で取り上げましたが、その後の検討状況を中心に伺ってまいります。先ず、第5次かわさきノーマライゼーションプラン改定版における障害者数の推移及び、障害者グループホームの設置状況、利用者状況や今後の目標数値を伺います。併せて、目標数値の設定根拠を伺います。
(健康福祉局長)障害者グループホームの申込窓口一元化についての御質問でございますが、障害者数の推移につきましては、各障害者手帳所持者数は平成18年4月1日において、37,480人、令和5年同日じてんでは65,582人となっております。
 また、障害者グループホームの設置状況につきましては、令和6年4月1日現在、事業所数が120、利用者数が1,705人となっております。
 障害者グループホームの今後の見込量等につきましては、令和4年度に実施した「障害のある方の生活ニーズ調査」において、需要があることは把握しており、これまでの実績等を踏まえ、毎年度100床ずつ増やし、令和8年度までに1,946人が利用できることを目標としているところでございます。
矢沢たかお
障害者グループホームへの入居を希望しているのにも関わらず、入居が出来ない方々「グループホーム待機者数」を伺います。
(健康福祉局長)障害者グループホームの申込窓口一元化についての御質問でございますが、グループホーム待機者数につきましては、事業者と利用者による直接契約となることから、正確な情報を把握しておりませんが、川崎市障害福祉施設事業協会のグループホーム分科会などからは、情報共有の方法や受入先の体制といった課題があるため、受入れまでにある程度の時間を要するケースもあると伺っております。
矢沢たかお
 第5次かわさきノーマライゼーションプラン改定版における障害のある方の生活ニーズ調査によると、「現在の生活の場」として、「グループホーム」を回答されている方は、身体障害で0.6%、知的障害で6.4%、精神障害で2.4%、精神通院医療で1.5%、発達障害で6.1%となっています。一方、「将来の生活の場の希望」として、「グループホームで生活したい」は、身体障害で5.8%、知的障害で37.7%、精神障害で9.6%、精神通院医療で9.5%、難病で1.8%、発達障害で33.3%などとなっています。
(ディスプレイ)

 
 いま申し上げたこれらのアンケート結果が、現状のグループホーム定員数に対して多いのか少ないのか、施設として足りているのか足りていないのか、この判断に必要なのは、本来、障害者グループホームへの入居を希望しているのにも関わらず、入居が出来ない方々が何名いらっしゃるのかという待機者数を把握することが極めて重要なのではないでしょうか。市の見解を伺います。
(健康福祉局長)障害者グループホームの申込窓口一元化についての御質問でございますが、障害者グループホームにつきましては、障害者の重度化・高齢化や親亡き後を見据え、緊急時の対応や障害者支援施設又は病院等からの地域移行の推進を担う役割があることから、そのニーズや待機者数の把握につきましては、重要であると認識しております。
矢沢たかお
 先ほど申し上げた真に入居を希望される待機者数の把握に加えて、重要と考えるのがグループホーム入居希望者申込情報の一元化です。現状の入居手続きは、先ずは入居を希望する方からの相談を区役所または障害者相談支援センターが受け、入居に係る要望や障害特性等を把握します。その後、区役所等がホームの空き状況を入手した場合、ホームの支援体制や希望される方の要望等を踏まえてホームの見学を行い、入居の可能性があるようであれば体験利用を実施し、ホームが受け入れ可能と判断した場合に入居するという流れになっています。
 障害者数は増加していくことが見込まれている中、現状の本市施策としては、同時にグループホームも増やしていく計画となっています。増え続ける希望者と施設情報に対して、希望者と施設側の間で入居調整する職員として、それぞれの最新ステータスを把握し、最適なマッチングを行うには限界があり、担当する職員の負担増加という問題だけでなく、利用者側にとっても担当する職員に力量によってマッチング精度に差が生じてしまう現状の仕組みは最適とは言えません。さらに施設運営者側からは、逆に入所希望者がいない、計画数値と現場にギャップがあるのでは?といった話も未だ聞こえて来ます。入居申込情報を一元化し、待機者数の把握と共に、希望者に対して施設側から入居に関する連絡が来るといった仕組みだと考えますが、改めて見解と今後の取組を伺います。
(健康福祉局長)障害者グループホームの申込窓口一元化についての御質問でございますが、障害者グループホームにつきましては、住居の空きに対して入居される方の障害特性等により利用が困難な場合もありますことから、受け入れ可否の判断など様々な課題がございます。
 しかしながら、利用者と施設のギャップの解消及び最適なマッチングに向けた取組は重要であると考えておりますので、年度内にはグループホームの運営法人や関係団体、区役所、障害者相談支援センターとの意見交換を行い、現計画の最終年度となる令和8年度を目処に待機状況の情報集約、利用実態の把握を行うなど、入居希望者の支援体制を強化してまいりたいと存じます。

まとめ

・障害者グループホームは毎年度100床ずつ増え、令和8年度までに1,946人が利用できる環境整備を進めるが、中長期的な整備計画や見込みは存在せず、議論が不足している現状。
・障害者グループホーム待機者数については、事業者と利用者による直接契約となることから、正確な情報を把握していないとの答弁。だが、施設整備計画を補助金制度を作りコントロールしているのは行政。行政として、実際の待機者数を把握していないというのは、現在の整備状況が足りているのか足りていないのかが分からない現状。今回の答弁では、「待機者数の把握は重要であると認識している」と明確な回答があった。
・提案をした「利用希望者情報の一元化」については、利用者と施設のギャップの解消及び最適なマッチングに向けた取組は重要であるとの考えから、年度内には関係団体との意見交換を行い、現計画の最終年度となる令和8年度を目処に待機状況の情報集約、利用実態の把握を行うとの答弁があった。イメージしているのは、当時特別擁護老人ホームの申込一元化である。対象は違えど、利用希望者、行政計画、施設側で感じるギャップは当時の問題と似ているところがある。

 

平成30年にも取り上げた同様の提案をしましたが、中々動いてくれませんでした。
当時も主張に対して、一定のご理解を頂いていたと感じていたのですが。。。

 

今回は明確にスケジュール感も答弁して頂きましたので、一定の成果があったと考えております。
今後も本件については注視をしてまいります。

 

今回も最後まで読んでいただき、有難う御座いました。

 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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