視察報告②〜札幌市不妊・不育症治療費助成事業を視察〜

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
 
昨日のブログに続いて、視察報告です。
本日は札幌市視察の内容について。
 
今回の視察都市と内容は以下のとおりです。
小樽市 ①小樽港将来ビジョンと②クルーズ推進事業について
札幌市 ③不妊症・不育症治療の助成支援事業について
 
毎度のお約束ではありますが、 視察項目はどのように決めているかと言うと、一緒に行く議員それぞれで注力している内容や、注目している事業をピックアップ・調整をして視察項目を決めます。
本日は、小樽市視察項目「不妊症・不育症治療の助成支援事業について」、その視察実施内容について取り上げたいと思います。
※しっかりとした視察報告書は視察項目毎に作成し、議会局に提出することになっていますので、ここでは触りだけ。
 

札幌市の概要について

全国政令指定都市の中でも人口4位の大都市・札幌市(因みに上位はというと、横浜市、大阪市、名古屋市の順です)。
言わずもがな、北海道経済の中心とも言える都市です。
ざっとその概要を把握すると以下のとおりです。

 市制施行:大正11年
面積:1,121.26㎢
世帯数:962,258世帯(令和元年8月時点)
人口:1,969,292人(令和元年8月時点)
財政規模:一般会計1兆193億円、特別会計3,636億円、企業会計2,653億円、計1兆6482億円(令和元年度予算案より)
市議会の構成:定数68名(自民党25名、民主市民連合21名、公明党10名、共産党8名、無所属・諸派4名)

正確に調べてはいませんが、北海道では唯一人口減少が発生していない都市です。
ただ現実には、道県中から札幌市に人口が集中し転入超過状態であるとのこと。
出生率は下がっていて、高齢者人口は増加し続けています。
 
財政の中でも雪対策にかかる予算が多く必要だという特徴もあります。除雪費だけで毎年200億円以上の予算が組まれています。
(だからこそ、普通交付税額も1000億円を超えるという桁が違う状態でもあるのですが)
 

視察趣旨

現代社会においては、晩婚化・晩産化による妊孕率(にんようりつ)の低下、不妊治療の反応性の低下の傾向が加速し、少子化に拍車をかけている状況となっている。また、特定不妊治療(体外受精または顕微授精)に要する費用は非常に大きく、その一部助成による経済的負担の軽減と、不妊に悩む市民への相談事業による精神的負担の軽減を目的に実施している「札幌市不妊治療支援事業」においては、札幌市独自の第2子以降特定不妊治療費助成事業というものがある。
これに加え、まだ一部の自治体でしか行っていない不育症治療費助成事業」について、理解を深めることで川崎市の不妊・不育症に悩む市民の支援に繋げれればと考え、視察を実施。

不妊症とは・・・
 
「不妊症」とは、なんらかの治療をしないと、それ以降自然に妊娠する可能性がほとんどない状態をいいます。
特に病気のない健康な男女が妊娠を希望し、避妊をせず夫婦生活(セックス)を営むと一定期間内に大多数の方が妊娠します。しかし一定期間を過ぎても妊娠しない場合、その後いくらタイミングを取っても自然に妊娠する可能性は低くなるため、不妊症と診断することが出来ます。(※一般社団法人日本生殖医学会ホームページより
 
不育症とは・・・
 
「不育症」とは、2回以上の流産・死産や新生児死亡の既往がある場合を言います。※なお、流産・死産は、妊娠検査薬が陽性になった場合ではなく、医療機関での超音波検査により胎のうや胎芽を確認後、妊娠が終了した場合を言います。

札幌市の不妊症・不育症治療費助成事業について

先ず、札幌市の不妊治療支援事業は、大きく2つ(助成と相談)に別れています。
 
「不妊治療支援について」
1.特定不妊治療費助成事業
・特定不妊治療費助成事業
・男性不妊治療費助成事業
・第2子以降治療費助成事業 ←札幌市独自事業(1子が産まれたら、治療回数がリセットされる)
2.不妊専門相談事業
・一般相談
・専門相談
・講演会・交流会
 
それぞれの事業詳細は、下の方に資料を添付致しますので、ご覧頂ければ幸いです。
 
次に、札幌市の不育症治療費助成事業についてです。この事業はまだ取り組んでいる自治体が少なく、札幌市は先行していると言えます(※川崎市では実施していない)
 
「不育症治療費助成事業」
・事業目的
不育症治療等に要する費用の助成を行うことで、不育症に悩む方の経済的負担の軽減を図ると共に、不育症に関する適切な情報を提供し、不育症の早期検診・早期治療を啓発すること。
・不育症(疑いを含む)と診断され、対象となる検査及び治療を受けた法律上の夫婦で要件をすべて満たす方に、1回の治療につき上限10万円を補助するというもので、通算助成回数、1年間あたりの助成回数、通算助成期間に制限はない。
 
参考資料:札幌市の不妊治療支援について
 

不妊・不育症で苦しむ人は多い。それは川崎市でも同じ。

不妊治療費助成事業は川崎市でも実施していますが、札幌市のように財源を市単独で持ち、第2子以降治療費助成事業を実践しているまでにはいっていません。また、不育症治療費助成についても実施していないのが現状です。
札幌市における市民アンケートでは、一番多い答えとして子どもは2人は欲しいというがあったそうです。不妊症治療の上、ようやく一人出来た家庭にもう一人の一助になるとのことでした。
 
また、不育症においては、長い間子宝に恵まれず、ようやく出来た子どもを見ることなく失ってしまった両親の悲しみは耐え難いものです。国は、一億総活躍社会の実現に向けて希望出生率1.8を掲げ子育て支援の基盤強化を図っていますので、大きな方向性とも合致している取組とも言えます。
 
一方で、女性の年齢と妊娠確率(妊孕率)の関係について、もっと若い内(思春期)からの教育の充実も重要です。人工妊娠中絶やクラミジアなどの性病によって、妊孕性が低くなってしまう。こういった性教育、思春期ヘルスケア事業にも教育委員会等と連携をして力を入れていく必要があるとのことでした。
妊娠と性感染症の知識をつける事業として、成人式にそういったチラシを置かせて頂いているとのこと。当初は違和感があるといったお声も多数頂いたが、成人式をきっかけに性に対し正しい知識を認識して欲しいとのことでした。
小・中・高、「性の手引」に逸脱しないように。中学校の段階では真面目に聞いている素振りがなくても興味があり、関心があるようで、インターネットにおいては間違った情報が横行している状況。こういった点に対して、正しい教育が大切と質疑の中で話をされていました。
 
人口増が続く川崎市においても、全国的な流れと同様、晩婚化・晩産化の傾向にあります。不妊・不育症で苦しんでいる人は多い。それは川崎市でも同じだと考えます。一人ひとりに寄り添った制度が充実できるよう、安心して子ども産むことができる体制整備は重要です。
 
本日も最後まで読んでいただき、有難うございました。
 

 


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