熊本地震の教訓を活かした受援計画を!!備蓄・支援物資管理に苦言!

熊本地震の教訓を活かした受援計画を!!備蓄・支援物資管理に苦言!

SONY DSC

みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
 
平成29年第1回定例会も中盤、予算審査特別委員会が始まっています。委員会初日の6日(月)、自民党2番手として質問に立たせていただきました。私の質問は以下3項目。
 
 1.一般会計歳出2款3項1目、危機管理対策費
 2.一般会計歳出8款2項4目、市道改良事業費
 3.自動車運送事業会計、市バスネットワーク推進事業費

 
今日のブログでは、1つ目の危機管理対策費について質疑の内容を公開させていただきます。

今回私は、数多くある防災関連のテーマの内、ほとんどの議員がタッチしていない「防災システムと受援計画」について取り上げました。

なぜ、防災関連システムと受援計画を取り上げたのか?

災害時における情報の収集、共有、伝達が大切というのは言うまでもありません。皆さんの携帯電話にも土砂災害警戒情報などがあったときには、アラートが鳴るかと思います。市民への情報発信、これは「公」が担う大切な業務です。
情報は人伝いでも手に入るじゃないか、あまりそこにお金をかけなくても・・・?という意見もあるかもしれませんが、災害時には噂レベルの情報やデマ情報が出回ることはすでに今までの大災害から私たちが学んできたことです。
信頼性が高い「公」が発信する情報は、市民にとって大切なものなのです。

では、その情報発信を担っているのは何(誰)なのか?それは川崎市の場合、市が保有する「総合防災情報システム」と呼ばれるものです。外部から様々な情報を集約し、様々な情報発信ツールを使って市民に情報を届けることを一手に引き受けているのですが、現状多くの課題を抱えています。
このシステムが平時および災害時にしっかりと機能(活躍)するのか?といった観点で市に質問を致しました。

そして、受援計画。受援計画については、熊本大地震の際「大量に届く支援物資がなぜか避難所に的確に届かない」。避難所は物資を求めているのに廃棄することになってしまう。このことは、新聞をはじめメディアも取り上げられ全国的に話題になりました。

そして、この防災システムと受援計画(本市では受援マニュアル)は密接に関わっているのです。以下、質疑の内容を掲載させていただきます。

2款3項1目危機管理対策費について

矢沢たかお
総合防災情報システム整備事業費について伺います。来年度予算案として1億3千万余が計上されていますが、その事業内容を伺います。また、平時および災害時における本システムの役割について伺います。
総務企画局長
本整備事業費は、総合防災情報システム及び関連システム並びに関連機器の運用、管理、修繕、改修などを行う事業予算となっております。また、本システムの役割につきましては、多くの庁内外システムとの連携機能を有しているシステムで、災害に関する情報の収集・蓄積・共有・受伝達・集計を行い、市民及び職員への情報伝達等を迅速かつ的確に行います。災害発生時においては中核となるものでございます。
矢沢たかお
平成28年3月に策定した川崎市地震防災戦略では、川崎市直下の地震が発生した場合、市内の広範囲で震度6強が想定され、一部の地域では震度7が想定されています。資料「参考資料1をご覧ください。
直下地震等を含めた大規模災害時、防災活動の要となる総合防災情報システムが、万が一、安定稼働しなかった場合、河川の増水、はん濫などの水害に関わる「水位・雨量情報を含めた河川情報」、「緊急地震速報」や「気象情報」、「震度情報」そして、わが国に対する外部からの武力攻撃、あるいは大規模テロなどが迫っているとき、または発生したときに、関係する地域の方に注意を呼びかけるための情報である「国民保護情報」を提供するJ-ALERTなど、多くの機関が提供する重要な外部システムからの情報が途絶えてしまうという最悪の事態を引き起こします。
そして、そういった大量に溢れる大切な災害関連情報の収集・蓄積・共有・受伝達・集計等を行い、防災ポータルサイトを含めた各種情報配信システムと連携し、市民への情報伝達を一手に引き受けている総合防災情報システムの代わりを、できるかどうかはわかりませんが、いずれにしても大量の人で補わなくてはならなくなります。
現在、本システムは川崎市内で運用されていることを多くの市民は知りません。直下型地震が想定される中、市内でのみ運用されている現状には大きな不安を抱きます。災害時の安定稼働に対する見解を伺います。また、本システムが停止した場合の影響および、その際の対策がどうなっているのか伺います。

総務企画局長
総合防災情報システムは現在、市内のインターネットデータセンター(iDC)にあります。
「川崎市地震防災戦略」では、川崎市に最大の被害をもたらす、マグニチュード7.3の「川崎市直下の地震」を想定地震としておりますが、本市で利用しているインターネットデータセンター(iDC)は、建屋の耐震性、複数経路の受電設備、自家発電装置による給電、アクセス回線の冗長化等、想定地震下での継続運用に必要な信頼性を備えた設備であると判断しているところでございます。
また、万が一、総合防災情報システムが停止した場合は、使用可能であります、有線電話、インターネット、電子メール、緊急速報メール、防災行政無線、Lアラート等あらゆる通信手段を駆使して、情報の収集および伝達を行うこととしています。
つまり、総合防災情報システムが使用不可となった場合、大量に押し寄せる外部からの情報をマンパワーで収集・整理・判断・市民への伝達等をするということです
矢沢たかお
総合防災情報システムでは、「備蓄支援物資管理機能」が実装されています。これは平時においては、効率的、効果的な備蓄物資の管理につながり、一方、災害時には備蓄品の管理だけでなく、各避難所からの物資要請の管理や届けられた支援物資・応援物資の管理に力を発揮することが期待され実装されている機能ですが、現在、策定中の川崎市受援計画にも大きな影響があると考えます。
先ず、本市受援計画の策定時期を伺います。また、包括外部監査では本機能の活用を進めるよう意見がなされていますが、いままで本機能を使っていなかった理由を、現状の備蓄物資管理の実態を含め、伺います。
総務企画局長
受援計画についてですが、国や他の自治体等から人的・物資支援を受ける際、迅速かつ効率的に支援を受け入れることを目的として受援マニュアルの策定に向けて取り組んでいるところでございます。
策定時期につきましては、現在、策定中の九都県市や国の動向を注視しつつ、平成29年上半期を目途に策定する予定でございます。
次に、総合防災情報システムの機能である「備蓄物資管理」についてでございますが、備品番号等、平時の物資管理に必要となる管理項目が無いことから、表計算ソフトを利用しているところでございます。なお、包括外部監査で意見のありました、本システムの備蓄物資管理機能につきまして、表計算ソフトでの物資管理と並行して試行利用をすることにより、改めて備蓄物資及び支援物資の適正な管理が可能となるシステムの構築及び運用方法を検討しているところでございます。
つまり、備蓄物資管理機能はあったが、実態はエクセルで備蓄物資の管理をしていた。包括外部監査で機能の活用について意見を受けたので、並行して(二重で)管理することにしたということです


総合防災情報システムの備蓄物資管理機能画面、管理項目は5列。

ところが、実際の現場ではエクセル管理。管理項目は10列。

受援マニュアルは平成29年度上期に策定予定だが、備蓄物資の管理に関しては現状、システムの機能だけでは管理出来ない。エクセル管理している現場とでは大きな乖離があることが判明
矢沢たかお
先程お伝えしたとおり、この機能は本市の受援計画にも大きな影響を及ぼします。熊本地震でも使われた「避難所からの物資等支援要求」も行えるようになっており、包括外部監査においてはこの機能についても災害時に活用するよう意見がされています。
「参考資料4・5」のとおり、本機能を使えば避難所から要求を送ることが可能です。さらに各避難所からの要求を一覧として確認でき、それぞれの対応状況、ステータスも確認することができます。
ただし、「参考資料6」では在庫がシステムに登録されていないと、発送情報を含めた対応情報の更新ができません。在庫登録がされていないと、存在しません。と出てしまう。
では、在庫登録をすれば良いわけですが、大規模災害時、果たしてその在庫登録が実際に行えるのか?と私は思っています。

 外部監査では受援においても本機能を活用する主旨のことが意見されており、本市は改善に向けた取組みを進める措置内容を回答しています。「参考資料7」は災害時においても本機能を活用した受援を考えた場合のイメージ図です。地域防災計画を見ながら作成してみました。

大規模災害時、市内170以上ある避難所にあるPC端末から、それぞれ総合防災情報システムに入り、各避難所の不足物資等の要求を行えます。その要求を区災害対策本部が受け取り、区輸送拠点に配達依頼をかけます。区輸送拠点は在庫があれば、各避難所へ市内企業との協定に基づき、配送業者を工面し配送します。一方で、市対策本部は区対策本部から情報を共有し、市内4カ所に定められている救援物資等の集積拠点に対して、区輸送拠点に対する配送依頼を出し、それを受けて、物資集積拠点は区輸送拠点に配送する形になっています。
一見、問題ないように見えますが、本当に備蓄物資管理機能で、この各拠点の物資在庫状況が把握できるとは到底思えません。物資集積拠点に入ってくる大量の救援物資の受け払いが現実的に管理できますか?市本部が、配送する優先度を判定するためには、各区の輸送拠点の在庫状況、ひいては、各避難所の物資在庫状況を管理しなくてはなりません。頻繁に出入りを繰り返す物資の管理が本当にできるのでしょうか。
災害時の受援物資の管理や受払い管理が、本当に大規模災害時できるのか。現実的に難しいのであれば平時における運用は効率化最適化を求めてシステムをフル活用するが、災害時には物資管理機能には頼らない。そういったオペレーションも含め、よく検討していただきたいと思います。




矢沢たかお
最後に、現在の総合防災情報システムは、指摘させていただいた点を含め、数々の教訓の中で改善されてきた現場業務とは機能が乖離しており、限界がきていると考えます。
冒頭質問したBCPの充実も考慮しつつ、早急に抜本的な刷新に向けて検討すべきではないでしょうか。対応と見解を伺います。
総務企画局長
平成21年に導入した本システムは、導入後に発生した東日本大震災を受け、熊本地震において国が推し進めたプッシュ型支援の取り込み等、システムが十分対応できていない課題があります。
本システムについては、運用保守契約の履行期限である、平成32年2月までの稼働を予定しておりますが、後継システムの導入については、システムの抜本的な見直しが必要と考えており、平成29年度にはシステムの基本設計、翌30年度には実施設計を行い、平成32年には新たなシステムを導入する計画でございます。
災害発生時又は災害発生の恐れがある時に、市民、本市及び各防災関係機関の情報共有の中核になることからも、他都市のシステムの導入状況及び熊本地震等の対応を調査するなど、新たなシステムの構築に取り組んでまいりたいと存じます。
システムの抜本的な刷新を行う必要性を認め、平成32年に導入予定の新システムに反映していくとの答弁がありました。平時においてはシステムをフル活用し効率的な物資管理に努め、災害時には場合によってはシステムに頼らない運用を想定するなど柔軟な受援マニュアルの策定を要望し質問を終えました