予特質疑②「生産緑地保全活用事業」について~前編~

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予特質疑②「生産緑地保全活用事業」について~前編~

みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
 
今回の予算審査特別委員会で取り上げた2つの内、生産緑地保全活用事業についての遅くなってしまいました。
 
この質問は生産緑地地区指定から30年を経過する、いわゆる2022年問題に関連した質問です。
 
先ず、具体的なやり取りの前に、生産緑地制度とは何なのかというのを見ていきたいと思います。

生産緑地とはそもそも何なのか?~都市農業と生産緑地の未来~

法制度の堅苦しい説明以上に、経緯から内容までをわかりやすく説明して頂いている記事があります。明治大教授・青山氏によって書かれた2017年9月新聞記事を抜粋していきたいと思います。
 

 都市の住宅地にある農地が2022年に宅地として大量に売りに出される可能性があり、対策が議論されてきた。
 
1968年の都市計画法は、市街化区域にある農地などは概ね10年以内に宅地化することを定めた。しかし市街化区域内にも農業を営む意思が強い農家があり、こうした農家を保護するためにできたのが74年の生産緑地法である。国が渋々ながら農地の存在を認めた姿勢が、農地という言葉を使わず生産緑地という新たな日本語を作り出した。
 
 経済成長の過程で都市住民は長く住宅不足に苦しみ、バブル時代には土地価格が高騰した。宅地の供給を急ぐ必要に迫られ、政府は91年に生産緑地法を改正し、以降30年間農業を営む者だけに宅地並み課税の免除や相続税の納税猶予を認めた。30年営農という厳しい条件を課すことで農業をあきらめさせ、宅地化を促進しようとしたのだ。
 
 しかし今や日本は低成長・少子高齢化・人口減少時代に入り、宅地の需要も減少した。政府は2年前の国土利用計画で今後の宅地の伸び率ゼロを宣言した。空き家、空き地問題が全国の自治体を悩ましている。農地を転用して宅地にする時代は終わったのである。
 
 都市にある生産緑地は、全国で約1万3000ヘクタールある。その約8割が22年に30年間の営農義務期間を終え、宅地化が可能な状態となる。人口減少時代に入って宅地の総量を増やす需要がないのに、農地が大量に宅地として供給されると種々の問題を引き起こす。土地の需給バランスが崩れて土地市場や土地価格が混乱するばかりか、上下水道の敷設の見直しが必要になるなどだ。これが22年の生産緑地問題である。
 
 このため、政府は今年に入って生産緑地法を改正し、30年の期限がくる前に特定生産緑地の手続きをすれば、引き続き宅地並み課税の免除や相続税納税猶予を受けられる制度をつくった。この法改正では、田園住居地域という新たな用途地域を区市町村が定めることができる仕組みもできた。これにより第1種住居専用地域にも農家レストランや直売所などの建設が認められる。
 
 東京都内だけでも約1万1000件の生産緑地がある。自治体は、22年が到来するまでに、生産緑地を所有する農家に対し、引き続き農業を行うには特定生産緑地の手続きが必要、などの新制度の理解を促す一方、田園住居地域を活用した都市計画を定める役割も求められている。
 
 日本の人口は減るとしても世界では人口が急激に増え、食糧不足時代の到来も近い。都市の農業には、鮮度の維持や食育、緑の保全など多くの意義がある。東京都の16年都市白書によれば、1000ヘクタールあたりの農業産出額は全国平均18.9億円に対して東京41.9億円と都市農業の価格生産性は高い。農業者は一般には高齢化しているが、農業者がいなくなれば農地は守れない。新規就農者を募り支援するなど、自治体に期待される役割は大きい。
 

川崎市における生産緑地問題について考えてみる


 
上記のとおり指摘されている内容をまさに絵にかいたような地が川崎だと私は思っています。本市における農地面積は約580ヘクタール(2015年)、就業販売農家数1289件(2015年)、市内農地面積の内、約半分は生産緑地地区内農地です。
 
生産緑地となっている農地にはこういった看板があります。
 

 
この生産緑地は私が生まれ育った宮前区内に多くあります。そして、全国の様子と同じで指定から2022年で30年となる農地がほとんどという状況です。というわけで、正に今回質問している内容は、この川崎市宮前区にある農環境に直結した話となっています。
 
川崎市に移り住んで日が浅い人は、川崎に農地!?と思うでしょうし、外からイメージする川崎には農地という言葉はまだまだ無いかもしれません。ですが、本市では消費地に最も近いというのを武器に、マルシェや農業フェス、消費者と生産者が一体となって都市にある農業を楽しむ取組みが増えてきています。「都市農業=川崎市」と呼ばれるよう努力している地域の生産者、行政、大学、JAセレサを中心とした関係者がいます。
 
これからも川崎市で農業が維持保全、そして生業としてやっていけるようにしていきたい。ざっくりこういった背景が今回の質問にはあります。
 
長くなってしまいましたので、またすぐに後編をアップしたいと思います。
 
最後までお付き合いいただき、有難うございました。
 


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