平成30年度総務委員会視察〜神戸市中央卸売市場の視察〜

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平成30年度総務委員会視察〜神戸市中央卸売市場の視察〜

みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
 
総務委員会視察二日目は、神戸市中央卸売市場の視察を実施致しました。
 
視察にあたっては、神戸市経済観光局中央卸売市場運営本部・本場長をはじめ、運営担当課長、再整備担当課長、経営課長にご対応をいただきました。
神戸市中央卸売市場運営本部のみなさま、誠に有難うございました。
 
以下、視察報告(※当方視察報告書の抜粋)となります。
 

視察趣旨


昨今、国においては大幅な規制緩和を伴う卸売市場法改正案が成立。
今後の卸売市場については、1.事業者間の競争激化、2.市場と市場外取引という「場」の競争、3.市場間の競争、それぞれの競争が激化してくることが予想されています。
これらの法改正を受け、本市においては、平成28年3月に策定し進めてきた川崎市卸売市場経営プランの改訂作業に入ることが公表されました。
 
同規模政令市である神戸市の取組みを視察させていただき、今後の卸売市場運営、市場設備の在り方等を検討する際の参考にすることを目的に視察を実施しました。
 

視察を経て川崎市での取組にどう反映できるか


 神戸市中央卸売市場本場は、昭和7年全国で5番目の市場として開場。昭和30年~40年代前半にかけて加工場・保冷庫・立体駐車場等を整備。昭和60年代初めに卸売場・仲卸売場の建替えを実施した。平成20年4月には、加工物流棟・南物流センター棟が完成、平成21年3月に本場が完成し市場全体の共用が開始された。これらは、三菱UFJリースなど4社でつくる「マーケットピア神戸」が建設・運営するPFI事業として実施された。神戸市がPFIを用いた再整備事業を実施した目的は、以下3点となる。
 
①市場施設の大半が築後40年~50年以上経過し、老朽化が著しい状態ため建替えが必要となっている
②西側市場施設は高松線という幹線道路で東側市場施設と分断されており、市場機能の効率化のために、東側施設との一体化が必要となっている
③市民の台所として、安全・安心な生鮮食料品を安定的に供給するため、安全衛生機能の向上、食品の高付加価値化等、市場機能の高度化を図る必要がある
 
PFI導入を用いた背景として、平成7年に発生した阪神淡路大震災の復旧・復興に多額の費用を費やしたことなどにより、従来手法での事業実施は財政的に困難な状況であったことが挙げられる。さらには、より効率的・効果的に事業を実施することによって、財政負担を縮減し、ひいては市場関係業者の使用料負担を抑制していくことが求められていた背景もある。そういった課題がある中、平成11年、国において「PFI法」が成立し、PFIに関する制度面の整備がなされたことが追い風となり、民間企業の技術力、資金力、経営能力を活用するPFI手法の導入を検討していくことが基本計画に盛り込まれていった。
 
PFI導入によるメリット・課題として、(1)コストメリット、(2)開設者である市の負担軽減、(3)場内事業者からの評価が挙げられる。(1)コストメリットでは、設計・建設が「一括発注」「性能発注」による建設コストの削減、維持管理業務の経費縮減。(2)市の負担軽減では、運営会社による市場附帯業務(料理教室運営やホームページ更新等)に加え、従来まででは行わないような領域(場内事業者との調整等)まで踏み込んで柔軟に対応している点は負担軽減につながっている。(3)場内事業者からの評価では、PFI事業者が毎年実施している場内事業者に対する維持管理業務に関するアンケート調査で、約80%が良いと評価を受けている。これらは長期期間での契約による信頼関係が構築されていることが大きいとのことであった。一方で、課題を挙げるとすると、PFI事業者の選定の際、当初2グループの参加が見込まれていたが、最終的には1グループのみの応札となってしまった点が挙げられる。その後の審査委員会では、入札者が1グループであったため、ヒアリングを実施するなど、より慎重な審査を実施したとのことだが、他都市でPFIが進まない理由として、応札が難しい環境にあることが考えられる。また、既存等の建築物・設備の保守管理・修繕業務において、予測困難な将来の発生費用の右端をPFI事業者に強いることになるため、事業範囲から外している。そのため、同じ保守管理・修繕業務でも、開設者が行っている範囲とPFI事業者が行っている範囲があるという状態となっている点が挙げられる。
 
 川崎市中央卸売北部市場においては、昭和57年開場以来の設備がそのまま稼働しており、施設の老朽化に対応していくことが喫緊の課題となっている。平成28年に策定した川崎市卸売市場経営プランの着実な遂行が求められてきた中、昨今の改正卸売市場法成立を受け、本市は経営プランの改訂作業に着手することが公表された。平成30年第2回川崎市議会定例会においても、市場自体の役割は今後も必要としつつも、「地域の実情に合った、より効率的・効果的な市場運営が可能になる」と改正法を受け止め、今後については「川崎の特性を活かした自由度の高い様々な取組を想定している」と答弁している。この度の神戸市の取組みは、場内事業者・学識経験者等からの意見も十分に伺いつつではあるが、本市のこれからの市場を考えていく上でも参考になると考える。
 
 また、場内施設の現地視察では、市民が自由に入れる施設と、場内事業者のみしか入れない施設とが明確に分離されていた。市民が市場を理解し、地域資源として高い関心を寄せてもらうためには、積極的に利活用する機会が必要と考える。特に市場における海産物を使った料理などを楽しめる飲食店を自由に楽しめることは、市場価値向上にもつながる。現在の川崎市中央卸売北部市場は、こういった飲食店なども場内中枢にあるにも関わらず、場内への市民入場は原則禁止されている状態であることは改善すべき点だと考える。
 
西日本豪雨災害の甚大な被害がありながらも、視察を温かく受け入れてくださった皆さまには心から感謝申し上げます。
視察とは別に、川崎市で連日行わせていただいていた募金活動、さらには川崎市役所職員の派遣など、行えることは市をあげて実施させていただいています。
 
まだまだ多くの支援が必要な状況が続きます。当方としてもできる限りの取組を進めていきたいと思います。
 
本日も最後まで読んでいただき、有難うございました。
 


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