コロナ長期化の中で。〜地域の医療・福祉施設等の現場から〜

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

東京都を中心に新型コロナウイルス感染症の第2波が押し寄せており、非常に不安な日々を過ごされているかと存じます。
当方自身も、毎年恒例で行っていた妻の実家(福島)への帰省を今年は見送りました。
子どもも2歳半となり、実家の義両親をはじめ兄姉親戚と共にお盆の一時を過ごしたかったですが、残念です。

 

余談ですが、当ブログでも再三書いているとおり、本市はふるさと納税で苦しんでいる立場ですが、本来の趣旨に則ったふるさと納税という判断のもと、今年限定で福島に向けての「ふるさと納税」で貢献したいと妻と検討しています。

 

新型コロナウイルス感染症第2波と「新しい生活様式」を取り入れながらの生活となり、経済と感染症対策を両立しなくてはならない状況となっています。
宮前区選出の市議会議員として、日常生活としての陳情相談も多く頂いていますが、時間を作り、こちらから区内複数の介護施設事業者や医療従事者との意見交換を行っています。

 

医療崩壊を起こさせない為には、介護現場の協力が不可欠です。介護崩壊が医療崩壊に繋がってしまいます。
そういった意味で、現場で不足していること、行政への要望をヒアリングさせて頂きました。

 

介護施設現場から求められていること

PCR検査・抗体検査の拡充が必要

 国、地方自治体含め、これまで検査体制は確実に拡充してきていますが、まだ決して十分とは言えません。PCR検査自体の確実性の議論はありますが、他に手段が無いことを考えると、やはり検査体制の拡充というのは、重要なことだと考えています。

 

 例えば、特別養護老人ホームではいま入居者への感染に繋がらないか、介護従事者の緊張状態が続いています。基本、要介護度3以上の高齢者が入居している施設ですので、感染者が出た場合、重症患者となる可能性が高いことは言うまでもなく、加えてクラスターが発生してしまうと一気に重症患者が多数発生する可能性があるからです。

 

 いま介護施設では、陽性疑いの方が入居者・介護従事者等、施設に関係する方々で出た場合、PCR検査や抗体検査を柔軟に行える体制拡充が求められています。利用者の出入りがあるショートステイなどにおいては、陽性者が出た場合、施設は2週間休業となるはずですが、入居している方々はすぐに移動できない方も当然出てきます。様々なケースが考えられますが、濃厚接触者だけでなく、その周囲の方々においても、柔軟に検査出来る体制が求められていると考えます。さらに、こういった福祉施設向けの出張検査も今後必要ではないかと考えています。

 

 介護施設から少し脱線しますが、一般においてもPCR検査対象範囲をもっと柔軟にしていって欲しいという意見もあります。
 例えば、職場で陽性者が出た場合、濃厚接触者の定義に当てはまらない方々(その職場にいた方々やその家族等)はPCR検査を受けられないまま、2週間の自宅待機等の要請(強制ではない)が行政からきます。保証がある状態ならまだしも、小規模自営業者などからすると2週間の待機は死活問題となってしまいます。やはり、こういった部分においても対象範囲を拡充が求められています。

 

 また、市内特別養護老人ホームの中ではすでに感染拡大防止の観点で、新規入所の受付を止めているところもあります。感染していないと証明済みの方でないと、仮にそれ以外の条件が整っていたとしても、リスクが高いと考える施設も出てきています。

 

 PCR検査は決して安いものではなく、実費だと安くて2万3千円、3万円〜4万円かかるところもあると聞いています。しかも前段で申し上げたとおり、確実性については議論があり、複数回に分けて検査することが正確性を高める為には必要との専門家の意見も出ているところです。財源をどのようにするか、このあたりは今後深堀りして、調べていきたいと思います。

 

病院側との連携と仕組み

 入居者が感染した場合、病院側が受け入れてくれるかどうか?というのも、介護施設側としては懸念の一つとなっています。感染が確認された入居者が速やかに病院へ移送される為の仕組みが必要です。

 

 病院側とすれば、一つでも受け入れ可能床数を守りたい為、介護施設側で(例えば個室化)の隔離及び感染拡大防止対策を求められる可能性があります。特に、重症化していない患者の場合はその可能性が高いと言えますが、介護施設側としてみると、一人でも陽性者が出てしまうと、他の入居者への感染拡大を避ける為の取り組みが果たして適切に出来るのか。現実的には難しいと言わざるを得ない、事業者が多いのではないかと考えます。

 

 病院側の受け入れ病床数を守るためにも、社会全体として重症患者を発生させない為に一人ひとりができる感染拡大防止の意識がとにかく重要です。

 

介護従事者は陽性者になったら辞めることを考えてしまう

 
 8月5日時点で、全国の検査陽性者数は累計で約4万2千名超。

 

 すでに誰がかかってもおかしくない感染症と言える状態ですが、地域ではすぐに陽性者探しが始まってしまう。風量被害が収まらない。施設に迷惑がかかってしまう。復帰しても後ろ指を刺されてしまう等、その他さまざま影響により、介護従事者によっては仕事を続けていくことが難しいという意見があります。

 

 これは、恐らく介護従事者だけでなく医療従事者、教育者、様々な職種で共通する話ではないでしょうか。

 

 感染しないための努力を怠っているわけではないが、いつの間にか感染していた。感染してしまったことで、治療以上に社会的被害者とならないような意識を社会全体で考えていく必要があると感じます。感染防止対策を最前線で実践し続け、行政の要請に応じ続けてくれている施設には、職員のモチベーションをあげる為の取り組みが必要だと考えます。

 

衛生用品が不足している

 我々も経験したように、第一波時にはマスクが市場に出回らなくなり、最前線で取り組まれている様々な施設において大きな問題となりました。川崎市においては、決して十分ではありませんでしたが、備蓄していたマスクを医療関係、介護関係、保育関係などに優先的に放出しました。また、当方も微力ながら関係ある企業に協力を仰ぎ、マスク寄付に繋げさせて頂きました。

 

感謝っ!!市にマスク4,000枚を寄付。新型コロナ支援制度のまとめを配布します!!

2020.05.01

 

 現在、不足しているのはポリエチレン製・プラスチック製「ヘルパー(ケア)グロープ」とのことです。これは、市場でも品薄状態が続いており、特に手に入らないとのことでした。調査したところ、市としての備蓄状況は4万7千枚(8月3日時点)。現在、市としても追加で5万枚以上の確保に向けて、手続きを進めていますが、業者も手に入らない状態が続いており確保が困難な状況となっています。

 

 マスクとは異なり、一般に備蓄されるものではない為、寄付を募っても集まりにくいものだというのも難しい点となっています。

 

面会が出来ない家族も辛い

 医療・福祉施設全般に言えることですが、特に辛いのは「家族への面会」が許可出来ないということだとある施設では伺いました。

 

 特養などの場合、特養での看取りが発生することは少なくありません。施設で最後を迎える上で、面会希望の家族がいるにも関わらず会わせてあげられない。この苦しみは施設全般にあるとのことです。
 また、入居者と長期間会えない状況が続くこと自体は、施設側にとっても「家族からの信頼」に直接影響する可能性があり、リスクが高い状態とのことです。

 

 オンラインでの面会は行っているものの、オンラインでは伝わらない感覚は多くあります。
 かといって、厚労省から面会の制限が通達されている以上、施設側としては許可には踏み切れません。

 

 確かに感染拡大防止対策は最も重要な取り組みです。

 

 ですが、例えば、陰性確認が取れた状態に加え遡っての行動報告等、通常の感染予防対策に加え、一定の条件をクリアした希望ご家族に対しては面会を許可するなど、今後長期化していくことが明らかな問題である以上、ガイドラインを整備していくことも大切なのではないかと感じました。

 

 トンネルの出口がわかっている話ならいざ知らず、コロナの感染拡大は残念ながら今後も続く上、極めて長期間にわたってWithコロナ期間を生きていく必要があります。難しい話ではありますが、人の最後にかかわる大切な問題だと受け止めさせて頂きました。

 

まとめ

 介護施設や従事者、福祉関係からの要望をまとめると以下のような形となります。

 

 

 ①PCR検査・抗体検査の拡充
  但し、すべての国民にという視点ではなく、必要に応じてより受けやすくなる体制整備
 ②感染者が確認された場合の病院側受け入れ体制の充実や、業務フローの整備
 ③行政からの要請の応え続けてきた福祉事業者への助成
  介護従事者のモチベーション維持や、施設支援
 ④ヘルパーグロープ等、衛生用品の優先配布
  行政としても手に入りにくい状況だが、枯渇している衛生用品を優先的に配布して欲しい
 ⑤入居者・家族側の精神的状況を配慮した家族の面会等、ガイドライン整備の検討
  非常に難しい問題だが、コロナ期間長期化を見据え、いまから検討をして欲しい

 

こういった意見については、川崎市としても国の第2次地方創生臨時交付金を活用した取り組みに反映していってもらえるよう要請していきたいと考えています。

 

その他、医療関係側からした際の要望や、経済的な面では商店街などからもお話を伺っています。
今回は長文となってしまいました。また別の機会でお伝え出来ればと思っています。

 

本日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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