狭あい道路の改善に向けて!!決算審査「まちづくり分科会」にて

狭あい道路の改善に向けて!!決算審査「まちづくり分科会」にて

狭あい道路イメージ画像 杉並区HPより

みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
 
本日から各分科会による決算審査特別委員会がスタート致しました。分科会は常任委員会と同様に割り当てられているので、現在川崎市では、①総務分科会、②文教分科会、③健康福祉分科会、④まちづくり分科会、⑤環境分科会、の5つに分かれています。
 
今年度、当方はまちづくり分科会に所属。審査する担当部局は「まちづくり局」「建設緑政局」の2局が平成28年度、どのようなお金の使い方をしたのか、また決算状況から見る事業の課題点などを議論する場になります。
 
各委員(議員)が無制限に質問できるわけではなく、事前通告制のもと、答弁含めて一人20分の持ち時間の中で質問を行います。
初日となった19日は、まちづくり局関係の審査。
 
私が取り上げた項目は以下の通りです。
 「10款4項2目、狭あい道路拡幅事業の実施状況等について」
 
を取り上げさせていただきました。
 

狭あい道路拡幅事業とは?


狭あい道路は、日常生活をしていくうえで、通行上、環境衛生上の問題があるばかりでなく、地震や火災などの災害時には消防、救急活動に支障をきたす恐れがある為、多くの自治体で狭あい道路解消に関する事業を推進しています。
 
川崎市においては、昭和63年に川崎市狭あい道路拡幅整備要綱を定め推進しているところで、新総合計画では、平成37年までの10年間を第1期から第3期に分けた実施計画の政策1-1において、4m未満の道路、狭あい道路施策に対して次のように目標設定しています。
 
「市内全道路延長に対する4m未満の道路の割合を、20%から10年間で10%にする」。
 
市内全道路延長は2,926km、4m未満の公道は計画策定時599kmありますので、4m未満の狭あい道路の割合を20%から10%にするということは、約306kmを10年間で拡幅し、解消していくという目標設定を掲げていることになります。
 

質問① 実績の確認


矢沢委員
そこで先ず、狭あい道路対策事業費について、平成28年度の決算内容と、舗装実績について伺います。
建築審査課長
 狭あい道路対策事業費についての御質問でございますが、総合計画における市内の4メートル未満の道路延長約599キロメートルは、平成22年度の都市計画基礎調査から算定しております。このうち、本市で狭あい道路対策事業の対象としている4メートル未満の道路は、建築基準法第42条第2項に定める、いわゆる「2項道路」と呼ばれている狭あい道路でございまして、約400キロメートルございます。
 平成28年度の予算額は1,918万3,000円、決算額は1,671万2,529円でございまして、執行率は約87パーセントでございます。
 次に、舗装実績につきましては、舗装完了件数が43件、舗装総延長は約560メートルでございます。
 

質問② 過去10年の舗装実績をどう分析しているか?


矢沢委員
 狭あい道路対策事業に関して、平成20年に行われた決算審査特別委員会で、当時のまちづくり局長は、整備目標に対する考え方と事業成果を次のように答弁されています。
 「次に、整備目標につきましては、建築物の増改築に伴い建築主等がみずから実施するものでございますので、特に定めておりません。なお、この制度での舗装実績でございますが、平成12年度から平成19年度まで1,267件、約20kmを舗装しており、一定の成果が出ているものと考えております。」と答弁されています。
 その後、平成19年度から平成28年度までの10年間の舗装状況を確認したところ、平均で年間952m、合計9,517m、約9.5kmという実績でした。この実績をどのように評価しているのか伺います。併せて、整備目標の設定について当時の見解と現状が異なっている理由について伺います。
 また、舗装実績に関しては年々その距離が短くなってきている傾向が顕著に出ていますが、その原因をどのように分析されているか伺います。
以下資料は、平成19年度から平成28年度までの予算と決算、実績等をまとめた資料(当局提供データをもとに当方が作成)

建築審査課長
 はじめに、舗装実績につきましては、平成19年度から平成28年度までの10年間における舗装件数は約650件でございます。それまでの実績と比較して減少しておりますが、この主な原因としては、舗装後の維持管理のしやすさなど、舗装のメリットが建築主である市民の方々に十分伝わっていないことなどが考えられます。
 しかしながら、本市の狭あい道路拡幅整備要綱の主な目的は、狭あい道路の拡幅であり、市が舗装を行わないものを含めますと約7,000件の申し出がございますので、一定の成果は上がっているものと考えております。
 道路空間を維持するためにも、舗装整備は大変重要でございますので、舗装実績の向上にむけて、市民の方々に十分御理解いただけるよう、防災フェア等の場において市民の皆様に直接パンフレットを配布するなどにより、周知に努めてまいります。
 次に、整備目標の設定につきましては、総合計画において、市民にわかりやすい目標とするため、成果指標として数値化したものでございますが、これは狭あい道路対策事業を含む「地域の主体的な防災まちづくりの推進」の施策に係る複数の事務事業の推進により、達成を目指すものとして設定したものでございます。
 

質問③ 狭い道路は早くどうにかしたい!目標達成に向けた取組みは?


 
矢沢委員
 主な原因として、舗装メリットが建築主である市民の方々に伝わっていないと答弁いただきました。確かに他都市を見るとしっかりと市民向け広報パンフレットを配布しているところもあるので、その部分はあるのかなと思いますが、私はそれ以外の原因もあると考えています。
今回の質問は、地域からの陳情がきっかけではありますが、実際にこの狭あい道路拡幅事業による舗装整備を行うとなった場合、市民の方に舗装まで約2年程度待ってもらっているという状況。過去10年の予算と決算、執行率等を比較させていただいた時に1mあたりに必要な経費として、10年前は約1万3千円だったものが、平成28年度時点では約3万と倍以上になっているのにも関わらず、予算が近年は若干の上昇傾向ですが、10年前と比べると約4割減となっていること。
これらを考えると、ご答弁いただいたとおり舗装実績としては減少している中ですので、今後の目標に向けた取組みがさらに重要になってくるわけです。そこで目標達成に向けた具体的な取組みを伺います。
建築審査課長
 目標達成に向けた取組についての御質問でございますが、狭あい道路対策事業をはじめとして、現在、川崎市では、不燃化重点対策地区での拡幅促進の取組みや、火災延焼リスクの高い地区での「地域住民との協働による防災まちづくり」などの取組みを推進しているところでございます。
 火災延焼リスクの高い地区における防災まちづくりの取組におきましては、地域住民が主体となって避難の安全性を高めるために拡幅すべき道路を位置づけ、地域による「地区防災まちづくり計画」を推進するなど、協働により取組んでいるところでございます。
 具体的には平成25年度から川崎区、中原区の町会で取組んで防災まちづくりのモデル事業で作成した「地区防災まちづくり計画」において、地域として進めるべきアクションのひとつとして、拡幅していくべき道路を地図上に示すなど、地区住民に対する周知啓発活動を図っているところでございます。
 

質問④ 10年で300km以上解消という目標に向けては他都市の制度を参考にして進めるべきだが見解は?


 
矢沢委員
 狭あい道路の拡幅整備に関しては、自治体によってその制度内容が様々であり、神奈川県内を例にとると、横浜市や相模原市では、隅切り用地の買い取り制度を設けているほか、他政令指定都市の状況を見てみると、千葉市、静岡市等においても隅切り用地の寄付にあたっては奨励金が交付されます。北九州市では、隅切り用地奨励金の他、寄付した後退用地の固定資産税評価額の1/2相当を奨励金として交付しています。
 また、東京都特別区それぞれのホームページから確認できる情報を見ても、約半数は後退用地や隅切り用地に対する奨励金を交付している状況です。本来、2項道路は将来的に4mの幅員を確保することを前提に建築基準法上の道路として認められていることを考えると、土地所有者が主体的に進めるべき内容だとは思いますが、行政から能動的にいま以上の施策を検討し講じていかなくては、これまでの実績から鑑みるに到底目標数値には届かないのではないかと懸念しています。
 政策の一丁目一番地を構成している一施策として、定めている目標数値ですので、達成に向けて他都市の例を参考にするなど、更なる施策を講じるべきと考えますが、まちづくり局長に見解と対応を伺います。

まちづくり局長
狭あい道路の拡幅促進に関する御質問でございますが、成果指標につきましては、都市計画基礎調査のデータによりトレンドを算定し、設定したものとなっております。
 施策に係る複数の事務事業により、指標の達成を目指すものとして設定した数値であることから、単独の事務事業での達成が見込まれるものではありませんが、拡幅促進に向けて、これまで拡幅部分の舗装や寄付助成制度を立ち上げてまいりました。また、2項道路の角地においては、建蔽率の角地緩和を適用しやすくするなど対応しているところでございまして、今後におきましても、より一層拡幅が促進するよう、他都市の事例等を調査、研究してまいります。
 
最後に要望として、繰り返しとなりますが本狭あい道路拡幅整備事業は、市内全道路延長のうちどれだけ4m未満の狭い道路を解消できるか、その割合を現状20%から10%にするという明確な目標設定がされています。ですが、これまでの実績の積み重ねでは到底達成できない目標になっているので、他都市の制度も検討していただきながら行政としての取組みを加速いただきたいと要望致しました。狭い道路の解消が何よりも望まれることです。
 
以上、全文となります。
 
今回のやり取りで、今後の川崎市を左右する新総合計画における目標設定の中には、実際の事業実績等とはかけ離れてしまっている指標を使っているケースがあるということが分かりました。即刻、改善すべき内容です。また、狭あい道路自体は全面的に解消していく方向で推進していかなくてはなりませんし、これまでも続けてきた経過が見て取れましたが、目標達成に向けた取組みが何よりも大切であり、そのためには残念ながら現状の取組みだけでは不十分であると指摘をさせていただきました。
 
他政令指定都市や東京23区の事例を調査し、提案しましたがそれがベストだとは必ずしも思いません。本市においてこの事業がより推進され、この街に住む市民が安全に暮らすことができるまちづくりが進められればと思っています。
 
次回は、分科会2日目で取り上げる質疑をご報告させていただきます。
最後まで読んでいただき、有難うございました。