★川崎市初★「(仮称)川崎市埋蔵文化財保存活用センターの設置計画」について

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

2月13日(火)から始まりました川崎市議会第一回定例会ですが、現在代表質問に向けた準備期間となっています。

 

各会派による代表質問は2月27日(火)及び28日(水)に行われます。新しい議場に変わってからのインターネット中継は以前と比較して、毛穴まで見えるんじゃないかってくらい画質が向上しています。

 

新議場の傍聴席から見ていただくのは勿論良いのですが、来られないという方にはインターネット中継もおすすめです。

 

さて、今回はタイトルの通り「(仮称)川崎市埋蔵文化財保存活用センターの設置計画について」ご報告させていただきます。

 

市内では初めてとなる「(仮称)川崎市埋蔵文化財保存活用センター」の設置計画が水面下で進められています。設置の最有力候補となっている宮前区にある平中学校第2グラウンドについて、その周辺の関連団体への説明が行われ始めていますので、公開情報として扱います。

 

★地域に対して提供された資料★
(仮称)川崎市埋蔵文化財保存活用センターの設置計画について

 

そもそも、埋蔵文化財って?

1.埋蔵文化財とは

 

(1)土地に埋蔵されている文化財(文化財保護法)「埋蔵文化財は、国や地域の歴史及び文化を知る上で欠くことのできない国民固有の財産であり、地域における資産でもある」
(2)埋蔵文化財ん保存・活用の意義:市内における開発や住宅建設の際の発掘調査で出土した大量の土器片や石器等は、埋蔵文化財に認定し、川崎市の歴史を知るうえで貴重な資料として、適切に整理・保管のうえ、市民に周知・活用を行う必要がある。

 

2.埋蔵文化財の保存活用と川崎市における現状の課題

 

約8,200箱の大量の埋蔵文化財は、数カ所の市施設に分散して保管していますが、保管場所はどこも満杯であり、適切な整理・保管ができる環境にない為、市民への活用もできていない状況です。埋蔵文化財の保管活用については市としても長年の課題となっています。

 

実は、数ヶ所の市施設に分散保管している中でも、立ち退きを早急にしていかなくてはいけない施設がいくつかあります。例えば、川崎市幸区の「旧河 原町小学校跡地」における神奈川県立特別支援学校を新設計画。実は、この小学校跡地にも埋蔵文化財が保管されています。

 

市(教育委員会)としては、埋蔵文化財がまるでやっかいものかのように、引越し先にいつも頭を悩ませながら、場所の確保に苦慮しているのが現状となっています。

(仮称)川崎市埋蔵文化財保存活用センターの概要

前置きが長くなってしまいましたが、今回の市として計画をする「(仮称)川崎市埋蔵文化財保存活用センター」について、その概要を以下に記載します。

 

(1)埋蔵文化財の整理・保管・活用の一連の作業を行うとともに、学校や地域の方々が埋蔵文化財に触れ、一部地域利用もできる施設として、(仮称)川崎市埋蔵文化財保存活用センターの設置を検討しています。
(2)埋蔵文化財を適切に整理・管理する収蔵庫を設置します。また、活用スペースを設置し、生徒の施設見学や収蔵する土器や石器などの鑑賞、手に触れる体験学習のほか、出前授業、職場体験などでの活用も可能です。その他、地域住民向けの考古学講座、体験事業など、生涯学習関連での活用も可能です。
(3)地域住民の方々の利用として、土器や石器などの展示鑑賞、整理作業にボランティアとして参加していただくことも検討しています。また、活用スペース内に、住民の方々が利用できるスペースの確保も検討しています。

 

上記が概要となるのですが、字面ではイメージしにくいので、教育委員会側で地域向けに他都市における埋蔵文化財保存活用センターの事例を参考に現在検討しているイメージを以下のように提示しています。

 

施設の設置条件と候補地の検討

こういった文化財施設の設置に関しては、多くの市民が総論では賛成するものではあります。ですが、各論と言いますか実際「どこに」となってくると非常に難しい話になるケースというのが間々あります。

 

前述でも少し触れましたが、今回設置先の最有力候補となっているのが「宮前区の平中学校第2グラウンド」となっています。なぜ、この場所なのか?

 

この点について、先ずは設置条件から以下教育委員会の見解を記載していきます。

 

(1)施設条件: 大量の土器類の重量に耐え、整理・保管・活用に最低限必要な約800㎡の面積、水害等の危険がなく使用できる市・学校関係の既存施設や用地について、市役所の関係部署や教育委員会事務局において、候補地を検討してきました。
(2)市の既存施設・用地: 数ヶ所が候補に挙がりましたが、面積や構造が条件を満たさず、浸水想定区域にある施設もありました。また、生田緑地を建設候補地としている新たなミュージアムについては基本計画を策定中ですが、施設面積が被災前より狭くなる一方、さまざまな博物館系、美術館系の分野があり、埋蔵文化財の収蔵スペースを確保する余裕がない状況です。施設・市有地も含め、条件を満たす候補地が見つかりませんでした。
(3)学校の空き教室: 現在は少人数学級で、不登校・特別支援対応など多目的に教室を利用しており、まとまった空き教室がある学校はない状況です。埋蔵文化財施設には最低10教室の確保が必要ですが、条件に合う学校はありませんでした。

平中学校第2グラウンドへの施設の設置計画について

最有力地となっている「平中学校の第2グラウンド」は、平中学校自体とは少し離れたところに位置しており、私自身は地域の篤志の方が土地を学校に提供したとも聞いています。

 

 

第2グラウンドの現状: 校舎から徒歩約5分の場所にあり、体育などの授業では利用しておらず、一部の部活動で利用してされています。また、教育委員会の「学校施設有効活用事業」により施設開放の対象となっており、現在、①おし沼レパード(少年野球)、②おし沼グラウンドゴルフ同好会の2団体が登録・利用しています。

 

当該グラウンドが候補地となった理由は、市の既存施設・用地、学校空き教室に好適地がなく、学校敷地の利用について検討した結果、敷地面積等により、平中学校第2グラウンドを候補地とされています。

今後のスケジュール等

今回の計画ですが、上記にも記載した通り、全市的にはそこまで時間をかけて進められる状況には無く、早々に方向性を固めていかなくてはいけない事案となっています。

 

現在、計画施設は平屋建プレハブ建物を予定しており、職員が週に3〜4日出勤し、埋蔵文化財の搬入や施設内での整理作業を行う予定となっています。最短で令和6年後半に工事着工、工期約6か月で令和7年完成を予定しているとのことです。

 

この計画については、現在行われている川崎市議会第一回定例会における令和6年度予算議案の中身にもなっており、計画に必要な予算が計上されています。

 

実際、地元の感覚はどうかというと、私個人の感覚ではありますが、まだ殆どの方々が知らないものとなっており、平中学校に関わる方々、特に施設開放や地域団体に関わっている方々くらいしか認識がないかと思っています。

 

その中でも、やはりなぜ平中学校グラウンドなのか、「子どもたちの学びの環境を減らさないで欲しい」という話や、地域にとってどれほどのメリットがあるのか、さらに、これまで第2グラウンドを利用してきた団体の方々にとって自分たちの活動場所に関する懸念などが聞こえてきている印象です。

 

実際、この計画においては代替地の選定について、当方からも具体的な市施設を提案もしました。予算審査の中でも取り上げ、伺っていき追加でご報告をしていきたいと思っています。

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回も宜しくお願い致します。

 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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