みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
今回は、「日頃お寄せいただく質問に対する回答」を行う回としたいと思います。
日頃から当方ホームページから多数のお問い合わせをいただいております。
たまにではありますが、個別具体の話ではなく、全市に関わることの場合、こうして取り上げて報告をしています。
(折角、時間をかけて回答していますので、きっと多くの方々が同じ疑問を持たれているのだろうと信じて)
今回は、令和元年に制定、令和2年に全面施行された川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例(通称:川崎市ヘイトスピーチ条例)について、現在、どの程度の抑止効果を発揮しているのか?という質問を、学生から頂きましたので、それに対する回答をほぼそのままここでは紹介していきます。
※回答は、事実確認等で市側からヒアリングしたものに対して、当方の見解も含めたものとなっています。
①川崎市のヘイトスピーチ条例は、現在どの程度の抑止効果を持っているか?
(回答) 令和元年に制定、令和2年に全面施行された本条例は、主に2つの対策で構成されています。
①公共の場所における不当な差別的言動(リアル)
②インターネット上の拡散防止措置
以下、それぞれの状況についてお伝えします。
条例施行以来、「①公共の場所における不当な差別的言動(リアル)」での本条例規定に該当する事案は一件も確認されていません。従って、勧告や命令、罰則の適用例も0件となっています。
条例制定前は、国のヘイトスピーチ解消法の立法事実となった事象をはじめ、本市条例の該当対象となり得る街宣活動が行われていましたが、条例制定後は、川崎駅前等で街頭宣伝活動自体は継続されているものの、条例の要件(特定の差別的言動)に抵触する発言は確認されていません。これは、活動側が条例を意識している結果であり、一定の抑止効果(成果)があったと評価しています。
「②インターネット上の拡散防止措置」については、削除要請件数は通算で632件に及んでいます。要請により削除をして頂いた削除成功率は約85%であり、強制力はないものの、多くのプロバイダが応じていると市からは伺っています。応じていただけていない残りの15%への対応は、条例にIPアドレス開示請求等の権限はないため、市として発信者特定までは至っていませんが、その割合からも条例制定後の成果は出ているかと評価しています。
その一方で、件数は社会情勢(選挙時や排外主義的動きの活発化など)により増減する。ネット上には依然として書き込みが継続している状況が続いています。
②インターネット上のヘイトスピーチについて、自治体として対応する上でどのような課題があると考えているのかについて
(回答) ①で回答した通り、リアル・ネット共に条例制定成果はあったと評価しているものの、特にネット空間においては、依然として書き込みが継続しており抜本的な対策という意味では、一自治体としての取組では限界があると考えています。
③川崎市が全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を設けたが、法律や条例の観点から国と地方自治体の役割分担について、今後どのようにあるべきだと考えているのかについて
(回答) 自治体独自の取り組みの限界を踏まえ、九都県市首脳会議を通じて国(総務省・法務省)に対して以下のような要望を昨年実施致しています。
1.実態調査: リアル・ネット上での差別の実態把握。
2.制度整備: 理念法(ヘイトスピーチ解消法)に留まらない、実効性のある制度構築。
3.周知啓発: 国による実効的な普及啓発活動の実施。
現在の国のヘイトスピーチ解消法はいわゆる理念法に留まっているので、中身を整備して対策を進めてほしいという趣旨となっています。実際に国に行った要望資料を添付致します。
九都県市首脳会議要望文(インターネット上のヘイトスピーチの解消に向けた取組について)
質問に対する回答としては、以上となります。当方にお寄せいただく質問については、(多少お時間を要する場合もありますが)基本的にこういった形で一つ一つ回答をさせていただいております。
また、要望や相談においても全く同様です。先日いただいた相談ケースで言うと、現場の学校教職員の方から人事評価に対する相談を受けました。
その方とはオンライン会議を含めて対応したのですが、日中に時間が取れない場合や遠くで中々当方事務所まで来て、直接面談できない場合でもオンラインなども活用しながら対応させていただいております。
最後となります、ヘイトスピーチ条例について、当時の川崎市議会にて、どのような経緯や議論があって条例が成立したのかについて、当時の当方の記事ではありますが、以下から参照いただくことが可能です。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。












