菅生緑地(水沢の森)の湧水/宮前女子野球チーム・宮前Qweens創立10周年式典
実は、そういった自然環境の減少は、平瀬川の源流域にあたる水沢にあるものも含め、「湧水」の水量に影響が出始めます。
湧水(湧き水)は、地下水が地表に現れる最初の場所で、地下水の量や質などの状況を 把握できる貴重な場所です。平成15・16年度に行った多摩川・鶴見側水系の湧水地調査結果を基に湧水地が確認された多摩川水系199箇所、鶴見側水系252箇所の同じ箇所について、平成24年度、平成25年度に現況把握を行った結果、枯渇等により多摩川水系では30箇所、鶴見川水系では32箇所減少していることがわかりました。
これは、田畑・山林・原野がどんどん宅地化され失われた結果、地下に水を溜め込む仕組みが順調に失われていったということを表しています。(雨水浸透面積の減少により、地下水涵養機能が低下した)
結果的に、湧水が減少してきました。湧水が減少すると、平常時の川の水量は減少します。川の水量が減少すると、まちにおける健全な水循環が保てなくなるという状況を生み出します。
都市部における農地は(市街化地域における農地は)維持していくことは現在困難です。生産者は高齢化し、二代目は都心にも近いということもあり、農業ではない仕事に就くことが多く、担い手が育ってきませんでした。
ですが、”市街化地域における農地はいままで宅地化すべき”だったものが、”市街化地域における農地はあるべきもの”と、国の方針が大転換期を迎えています。
私は一概に田畑、山林、原野に代わり、住宅を建てることを否定しているわけではありませんが、いま時代は変わり始めているということを意識する必要があると感じます。
農地しかり、山林原野しかり、役割は表面上に見える部分だけでなく”水循環””水環境”にも大きく寄与していたということを行政は勿論、市民の皆様にも改めて認識し、都市部ならではの”利便性”と”洗練された自然環境”が共存したまちづくりを目指していきたいと思います。