一般質問②野球場利用申込について〜不正・不適切利用の是正に向けて!!〜

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

前回に引き続き、今回も一般質問で取り上げたテーマについてご報告申し上げます。

 

① 生産緑地の指定における接道要件について
 都市農業施策において、生産緑地に関する議論は欠かすことができません。今回は、川崎市が独自の判断で設定している生産緑地指定にあたっての接道要件について取り上げています。生産緑地を将来、公共用地として活用する際、道路が付置されていることが望ましいことから出来た要件。現在の本市の都市農業を巡る状況とは全く合っていないと考えています。見直すべきという視点で質問をさせて頂きました。
 
② 野球場利用申込について〜不正の温床である「ふれあいネット利用枠」〜
 昨年の12月議会で取り上げたテーマであり、川崎市が抱える積年の課題でもあります。今回は1年間の取り組み状況を確認すると共に、来年1月からスタートする多摩川河川敷全11球場における協議会方式の展開と課題について。さらに、河川敷においても2割程度残る「ふれあいネット枠」について、その問題点を改めて指摘しています。

 

今回の記事では、「② 野球場利用申込について〜不正の温床である「ふれあいネット利用枠」〜 議会でのやり取りを報告させて頂きます。

 

尚、議会での質問内容と答弁については、正式に議事録が発行されるのは2ヶ月近くの時間を要します。
当方ホームページでは、自身の分だけですが、取り上げた内容についていち早くお伝えをしております。活字として読むこともできますが、動画も後日アップ致しますので、そちらを見ていただくと読むよりも遥かに理解が容易だと思います。
動画自体は本記事を更新する形で、後日アップ致します。

 

それでは、以下議会でのやりとりを記載致します。

 

野球場利用申込について〜不正の温床である「ふれあいネット利用枠」〜

矢沢たかお
昨年の12月議会で多摩川河川敷軟式球場における「ふれあいネット枠における不適切利用の実態」を取り上げました。ディスプレイをお願い致します。(スライド①〜③)

 

スライド①

 

スライド②

 

スライド③

 

ちょうど一年が経過しますが、不適切利用是正に向け、どのような取組を実施してきたのかについて伺います。また、今後の取組を伺います。

 

(答弁①)
野球場利用についての御質問でございますが、市内の野球場の利用申込みにつきましては、現在、ふれあいネットの野球場専用団体登録番号を利用した電子メールによる申込み・抽選と、市内の野球チームにより構成された利用調整協議会での調整を実施しております。
 協議会につきましては、多摩川河川敷の野球場に管理人が配置されておらず、予約者と利用者の確認ができないといった課題や、予約枠の譲渡といった不正利用を防ぐなどの目的で、試行的に設置したものでございまして、令和3年4月から北見方第1・第2、令和5年5月から諏訪及び上丸子天神3球場において試行的に開始し、市が主導・監督しながら継続して取り組んでいるところでございます。
 これまでの取組により、不適切な利用の是正に一定の効果が確認できたことから、今後は、来年1月分の利用枠から新たに上平間、宇奈根第1・第2、二子第1・第2の5球場を加え、多摩川河川敷の全11球場を対象として、協議会での運用を行うものでございます。

 

矢沢たかお
そこで先ず、協議会枠について伺います。天神、北見方・諏訪に続いて、上平間、二子、宇奈根において、来年1月より協議会方式での運用がスタートします。先行的に協議会方式を取り入れていた天神野球場においては、市役所職員による現地パトロールが継続的に行われてきました。
天神協議会では、不正利用防止の為に現在どのようなペナルティ制度を設けているのか伺います。また、継続的な現地パトロールを実施してきた結果を含め、ペナルティ適用となった件数と主な罰則内容をあわせて伺います。
(答弁②)
野球場利用についての御質問でございますが、不正利用防止の取組につきましては、予約した利用枠を譲渡した場合や、事前にキャンセルの連絡を行わず利用しなかった場合などを参加チームへの禁止事項としております。
 当該事項に抵触した場合には、一定の回数、協議会における日程調整会議への参加を制限しておりまして、上丸子天神地区の3球場における昨年11月から現在までの利用の中で、禁止事項を適用した件数は15件となっております。

 

矢沢たかお
来年1月以降は、天神のみならず河川敷全球場へと協議会方式が広がることもあり、多くのペナルティ適用事案が発生する可能性があると考えています。今後どのように対策を講じていくのか伺います。

 

(答弁③)
野球場利用についての御質問でございますが、今後の対策につきましては、市職員による利用確認を継続して実施するとともに、協議会参加者へ禁止事項の抵触事例について、協議会の会議の場で公表し、適切な利用を促すなど、不正利用の防止に向けて取り組んでまいります。

 

矢沢たかお
次に、ふれあいネット枠について伺います。来年1月より多摩川河川敷軟式球場において協議会方式での運用が進むわけですが、これまで、こと野球における「ふれあいネット枠」は不正の温床となっていることを指摘し続けてきたのにも関わらず、協議会方式となる全球場において、一定のふれあいネット枠が残され続けています。なぜ、ふれあいネット枠を残しているのか、その理由を伺います。

 

(答弁④)
野球場利用についての御質問でございますが、利用調整協議会につきましては、チームメンバーの過半数が市内在住であることなどの加入要件や、対面による会議への参加を求めております。協議会を設置している球場でのふれあいネットの団体登録番号を利用した申込みにつきましては、要件を満たさないチームなどにも、利用機会を設けることが必要であると考え、利用が多い土日祝日における予約枠の約2割について実施しているものでございます。

 

矢沢たかお
ふれあいネット枠が公平公正に使われているのであれば、答弁のあった理由のもと、枠が一定存在するのは理解できますが、ふれあいネット枠については、再三指摘してきた通り、公平公正に使われているとは到底思えない状態にあるわけです。ディスプレイをお願い致します。(スライド④〜⑧)

 

スライド④

 

 

スライド⑤

 

 

スライド⑥

 

 

スライド⑦

 

 

スライド⑧

 
そこで、ふれあいネット枠がある河川敷球場において、当選枠に対しキャンセル率がどのような状態なのかを把握したいと思います。集計できる範囲で、それぞれの球場において、最も高いキャンセル率となった月と具体的な数字を伺います。

 

(答弁⑤)
野球場利用についての御質問でございますが、多摩川河川敷軟式野球場における、本年4月から6月までの集計結果に基づく、自己都合によるキャンセル率が最も高かった月につきましては、上平間球場では、4月がキャンセル率77%、上平間天神町第1球場では、4月と6月がキャンセル率50%、同第2球場では、5月がキャンセル率50%、同第3球場では、5月がキャンセル率60%、二子第1球場では、6月がキャンセル率53%、同第2球場では、6月がキャンセル率42%、宇奈根第1球場では、4月がキャンセル率46%、同第2球場では、4月がキャンセル率45%でございます。

 

矢沢たかお
ディスプレイをお願い致します。(スライド⑨)

 

スライド⑨

 
そもそも希望をして申し込んだ結果、抽選にあたっているのにも関わらず、天災等ではなく、自己都合を理由としてこれだけのキャンセルが発生する現状について、異常であると指摘せざるを得ません。何が起きているかというと、大量に確保した野球場専用団体登録番号を使って、集中的に予約を行い、キャンセルと同時に利用を希望するチーム・団体へと差し替えている実態があるのではないかと推測できます。本市の見解と今後の対応を伺います。

 

(答弁⑥)
野球場利用についての御質問でございますが、自己都合によるキャンセルにつきましては、やむを得ず利用がかなわなかったチームがある一方で、キャンセル情報を組織的に集約し、特定のチーム間で計画的に付け替えるといった行為がおこなわれている可能性もございますことから、今後、実態の把握に向けて取り組んでまいります。

 

矢沢たかお
最後に市長に伺います。
本市野球場において、公平公正な運用を行なって頂きたいという想いで毎年取り上げています。やはり大切なことは、公共施設での不正行為、不適切利用は許さないといった市の姿勢とその啓発活動だと思います。
本来、子どもたちに野球を教えるコーチ、監督、代表者、そういった大人は、率先してルールを守る大切さを教えなくてはいけません。ところが、一部の大人は、ルールを破ることに加担をしてしまっている。ホームページにも明記されている通り、市にもそういった実態があると認識されてしまっているわけです。正しく球場を予約し利用している他者に迷惑をかける行為を続けている、若しくは、加担をしてしまっている人たちを含め、ルール遵守を目的とした継続的で効果的な啓発活動を実施していくべきです。市長のお考えを伺います。

 

(答弁⑦)
 野球場利用についての御質問でございますが、公共施設は市民の共有財産であり、多くの市民が公平公正に利用できなければならず、一部のルールを守らない利用者により、ルールを守る多くの利用者の利用機会が奪われていることはあってはならないと考えており、強い憤りを感じております。
 今後は、ルールの徹底について啓発することに加え、野球場の不正利用者に対する断固たる措置を含め厳格な対応について検討してまいります。

 

矢沢たかお

「野球場の不正利用者に対する断固たる措置を含め厳格な対応について検討してまいります。」ここまで強い言葉を使って市としての姿勢を明確に示されたのは初めてではないかと思っています。市長が「断固たる」という言葉を使われたのは実質初めてです。ここまでの答弁をさせてしまっているのが、残念ながら実態です。野球場問題に関する質問は、毎年12月議会で取り上げていますが、多くの野球関係者に見てもらっているらしいです。川崎市の野球人の皆様、子ども達の為にと日々頑張られていて素晴らしい方々がたくさんいます。ですが、総じて野球業界です。それぞれの皆様が胸に手をあてていただき、川崎の野球のイメージを落とし続けるような実態。本当にこのままで良いのか、是非改めて頂き、公平公正な運用となるようお力を貸して頂きたいという想いを伝えさせて頂いて、質問を終わります。

まとめ!!

 
・2023年12月議会でふれあいネット枠において、不正・不適切利用が横行している実態を指摘。その後の取組によって、来年、2025年1月から多摩川河川敷全11球場において、協議会方式が導入され、運用がスタートすることとなった。
 
・協議会方式導入にあたっては、先行して進んでいた上丸子天神町協議会において、禁止事項への罰則(ペナルティ制度)を設け、約1年間運用をしてきた。行政職員による現地パトロールの結果、上丸子天神町グラウンド利用だけで、罰則適用件数は15件。
 
・2025年1月からは多摩川河川敷全11球場に協議会を導入する為、今後の罰則適用状況次第では、パトロール強化が必要。
 
・一方、多摩川河川敷全11球場においても約2割程度の「ふれあいネット枠」が残る。これは、そもそも協議会への参加を希望しないチームへの機会確保や要件を満たさないチームへの配慮が必要と考え設定されたもの。
 
・ふれあいネット枠は不正の温床となっている実態を、実際に多摩川河川敷で配布されていた資料(カード情報、パスを集めている)をもとに説明。さらに、抽選に申込み、当選した枠にも関わらず、高確率で自己都合によるキャンセルが発生している実態を説明。
 
・これを踏まえた行政からは、「キャンセル情報を組織的に集約し、特定のチーム間で計画的に付け替えるといった行為がおこなわれている可能性がある」と答弁。
 
・市長に今後の対応を求めたところ、市長からは「今後は、ルールの徹底について啓発することに加え、野球場の不正利用者に対する断固たる措置を含め厳格な対応について検討していく。」と答弁。
 

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回もどうぞ宜しくお願い致します。

 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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