みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢たかおです。
子育て世帯のみなさんにとって、特に関心の高いニュースが入ってきました。国が方針を示した「学校給食費の無償化」についてです。
「いよいよ給食がタダになるんだ!」と喜ばれている方も多いかと思いますが、実はその中身を詳しく見ていくと、手放しでは喜べない、「無償化」という言葉だけが先行している実態が見えてきました。
今回は、令和8年度から始まるこの制度の本当の姿について、市議会議員の視点から分かりやすく解説します。
国が新設する「給食費負担軽減交付金」とは?
まず事実として、国は学校給食費の負担を減らすために「学校給食費負担軽減交付金(こうふきん:国が自治体に配るお金)」を創設することを決めました。
この制度の概要は以下の通りです。
- 開始時期:令和8年度から(2026年4月~)
- 対象:小学校、および特別支援学校の小学部
- 目的:保護者のみなさんの経済的な負担を減らし、子育てを支援すること
これだけ聞くと素晴らしい制度に思えます。しかし、ここに大きな「落とし穴」があるのです。
「5,200円」と「5,900円」の大きな差
実は、国から川崎市に支給される金額には上限があります。今回の制度で示された金額は、児童一人あたり月額5,200円です。
一方で、現在の物価高騰の影響もあり、川崎市で実際に給食を提供するために必要な経費は、月額5,900円以上となっているのが実態です。
つまり、国からもらえるお金だけでは、毎月約700円が足りないということになります。
この不足分をどうするか。本来であれば、この差額は保護者の方に負担していただく性格のものです。
しかし、せっかく無償化という話が出ている中で、令和8年度の開始早々から保護者に追加負担をお願いするのは現実的ではありません。
そこで川崎市では、令和8年度については「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」という、物価高対策のための特別な予算をやりくりして、この不足分を補うことにしました。
これにより、令和8年度に関しては、保護者のみなさんに不足分を転嫁することなく、実質的な無償化としてスタートできました。
矢沢たかおの問題意識:令和9年度以降はどうなる?
ここで私が皆さんに特にお伝えしたい、議員としての強い問題意識は、「令和9年度以降の継続性」についてです。
今回、不足分を補うために使う「臨時交付金」は、あくまでその名の通り「臨時(一時的)」な予算です。つまり、令和9年度以降も同じように穴埋めができる保証は今のところありません。
私は、以下の2つの点を非常に危惧しています。
- 「無償化」という言葉だけが広まり、将来的に「突然、月700円の負担が発生した」と市民の皆様に混乱を招くのではないか
- 国の制度が、現場の実態(給食を作るコスト)を十分に反映できていないのではないか
給食は子供たちの心身を育む大切なものです。その費用が「いつまで無償なのか分からない」という不安定な状態であってはならないと私は考えます。
今後の方向性とみなさんへのお願い
国に対して「地域の実情に合った、十分な財政支援」をしっかりと求めていくと同時に、市議会においても、安定した給食の提供と負担軽減のあり方を厳しく議論していく必要があります。
みなさんにおかれましても、以下の2点をぜひ知っておいてください。
- 今の「無償化」は、国の予算だけでは足りていないという危ういバランスの上に成り立っていること
- 令和9年度以降の対応については、現時点では未定であり、今後の大きな課題であること
行政の施策は、一見耳当たりの良い言葉で語られがちですが、その裏側にある実態を把握することが、私たち市民・議員にとって非常に重要です。
ちょっと難しく書いてある行政資料を最後に以下添付致します。今回の記事のベースとなった資料です。
もしもっと詳しく知りたいという方がいらっしゃいましたらご参照ください。
これからも宮前区、川崎市の課題について、地に足の着いた取組を続けてまいります。
今回も最後まで読んで頂き、有難うございました。では次回もまた宜しくお願い致します。









