自民党川崎市議団政策提言、そして福田候補の1丁目1番地にある「特別自治市」とは一体何なのか?

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

いよいよ本日10月17日から市長選挙が始まりました。
自民党川崎市連としても支持を表明している「福田紀彦」氏の第一声に、自民党市議団として参加させていただきました。

 

今回の市長選挙においては、自民・公明・みらいが支持する現職の福田氏に加え、共産党からは市古氏、無所属として川村氏が立候補しています。
福田氏に対して、自民党川崎市議団及び市連としては、市長公約への反映を目的に合同で政策提言を作成し、提出しています。

 

我々自民党が作成した政策提言は、7つの柱で構成されており、「Ⅰ 特別自治市制度の推進と財政基盤の強化」、「Ⅱ 行政デジタル化の推進と新産業創出」、「Ⅲ 経済再生、市内中小企業・都市農業施策及び港湾施策」、「Ⅳ 都市基盤整備と防災」、「Ⅴ 医療福祉子育て施策」、「Ⅵ 教育・文化・スポーツ施策」、「Ⅶ 脱炭素・エネルギー施策」という構成となっています。

 

その中でも、一丁目一番地に政策提言に挙げさせて頂いたのが、「特別自治市の実現に向けた取組」であります。これは此度の福田候補のマニフェストにもはじめの公約として掲載頂きました。

 

実際、福田候補のマニフェスト冒頭には、「特別自治市」について以下のように書かれています。

川崎市は「特別自治市」を目指します!
 
もうすぐ市制100年、政令指定都市に移行してから50年。現在の国・県・市の3層構造から、国と川崎市の関係に改革し、二重行政を解消しなければなりません。通常でも、また現在のようなコロナ対策や災害時においても迅速かつ無駄のない完全な自治を実現できる「特別自治市」を目指します。制度の実現に向けて、議会や市民の皆様、全国の政令指定都市とともに速やかに取り組みます。
 
引用:福田紀彦公式ホームページより http://fukuda-norihiko.com/

 

 

さて、市民目線で申し上げれば、いきなり出てきた「特別自治市」って一体なんぞや!?だと思います。

 

読んでみると、二重行政を解消していかなくてはならないとも書いているけど、このフレーズはよく大阪都構想が盛り上がっていた時に、メディアから流れてきたワードだなぁ。。何が違うんだろう??というのが一般感覚なのではないでしょうか。

 

実はこの川崎市における特別自治市構想は、今に始まった話ではなく、それこそ長い歴史と経緯のある構想でして、川崎市にとっては歴代市長をはじめ、歴代議会においても悲願とも言えるテーマであり、いま現在もこの大きな方向性に向けて、改革の必要性を自治体として訴え続けているテーマであります。この度、福田市長候補がそのマニフェストの1丁目1番地に「特別自治市」を置いてきたというのは、非常に重たいことであり、その本気度が伺えます。

 

さて、今回をシリーズ第1回とし、川崎市における「特別自治市」に向けた取り組みを継続的に発信していきたいと思います。
一人でも多くの市民の皆様に、川崎市が何を取り組もうとしているのかを少しでもわかりやすくお伝えできればと思っています。

 

特別自治市とは・・・

現在、全国20ある政令指定都市の市長が集まる市長会において、特別自治市を目指そうという提言が行われています。なので、川崎市のみならず、全国の大都市がいま実現させようと動いている制度となります。

 

● 川崎市が早期実現を目指している、新たな大都市制度
● 現在の指定都市制度を見直し、原則として国が担うべき事務を除くすべての地方の事務を川崎市が一元的に担い、その仕事量に応じた税財源も併せ持つ制度
● 川崎市を分割して新たな自治体をつくるのではなく、市域内のことが市で完結する、川崎市の一体性を生かした効率的・効果的な制度

 

 

実は、特別自治市構想というのは、いまに始まった話ではありません。詳しくは、以下の総務省資料を参考にしていただきたいと思いますが、大都市制度の歴史は古く、実は1947年(昭和22年)に地方自治法において、特別市設置の根拠法が制定されました。

 

根拠となる法律は整備されていたものの、当時は都道府県からの強い反発もあり、一度も指定されることなく、制度は1956年(昭和31年)に廃止。当時、特別市に指定が見込まれていた都市は、「京都市、大阪市、横浜市、神戸市、名古屋市」の5つの都市でした。

 

なので、再び特別市設置を目指す場合、大阪都構想設置法のように(大阪都構想の場合、結局2度の住民投票で否決となったが)、法改正が必要となります。

 

(参考)大都市に関する制度の沿革
※クリックするとPDF資料をご覧いただけます。

なぜいま特別自治市を目指すことが重要なのか・・・

川崎市を含め日本の大都市は、海外の一国にも匹敵する経済力を持つ都市が多くあるわけですが、地方自治法上の「市町村」という一律の枠組みの中で、大都市の複雑・多様な課題に対応するための権限と税財源を持てずにいます。

 

例えば、現行制度上の課題を挙げると以下のようなものがあります。

 

課題1 指定都市と道府県がそれぞれで同種の事務を処理

指定都市と道府県との間で事務・権限が分かれていることにより、窓口が分散し、事務処理に時間がかかるなど、非効率な二重行政が発生しており、その分野は、子育て支援や福祉・保健・衛生、河川管理など、実に多岐に及んでいます。

 

また、此度の新型コロナウイルス感染症対策においては、多くの人口を抱える大都市においても、「国→県→市」という流れによって、県と市の間に膨大な調整コストと重複事務が発生しました。その結果、一例を挙げると、ワクチン供給・確保における現場の混乱、執行部における判断の遅れなどが発生してしまう結果となりました。

 

社会はすでに5G・6Gに突入する中、今だに3G以下の文化と言わざるを得ないのが現在の大都市制度だと私は考えています。
同種の事務・権限を市に一元化して二重行政を解消し、市民の皆様に身近な場所で、きめ細かい行政サービスを提供していく必要があります。

 

 

課題2 指定都市の役割・仕事量に見合っていない税財源

指定都市は、一般の市町村事務に加え、道府県に代わって保健所や土木事務所など多くの事務を担っています(大都市特例事務)。しかし、地方税制は事務・権限に関わりなく画一的であるため、大都市特例事務に必要な財源については、税制上の措置が不十分なのが、現状です。

 

以下は、どの程度の財源が不足しているのか、横浜市の広報資料からの抜粋ですが、分かりやすい資料でしたので掲載させて頂きます。

 

大都市に任されている業務と措置不足額の乖離は横浜市の場合、2,400億円にも上る。

 

川崎市においても金額こそ違えど、全く同じ状況であることは言うまでもありません。
必要な財源が措置されるよう、税源配分の見直しを行う必要があります。

 

特別自治市制度創設に向けて

特別自治市をあえて一言で表現すると、「神奈川県の傘下という位置付けの川崎市が、県と横並びの権限及び財源を持つ自治体となる」です。
多くの皆様が認識されている大阪都構想は「大阪市を廃止して、特別区を置いた大阪都とする(厳密には「都」という名称にはならないようですが)。」ものです。

 

川崎市や横浜市等が特別自治市になることで、
● 大都市にふさわしい権限と税財源を持つことができ、川崎市がさらに暮らしやすく活力あふれるまちになります。
● 市民の皆様に寄り添う行政サービスを充実させ、また、日本経済の成長エンジンの役割を果たせるようになります。

 

制度創設に向けて、全国20ある指定都市の市長が集まって構成される「指定都市市長会」においては、「多様な大都市制度実現プロジェクト」として、特別自治市制度の立法化に向けた素案の策定及び国や政党への提言を行うため、2020年11月に「多様な大都市制度実現プロジェクト」を設置し、制度の具体案について議論を重ねています。

 

2021年5月には、「多様な大都市制度の早期実現を求める指定都市市長会提言」を取りまとめ、特別自治市の法制化に向け、国や政党に積極的な働きかけを行っています。

 

非常に大きな話ではありますが、此度の市長選挙において、福田候補がこの特別自治市を大きく掲げてくれたことは非常に嬉しいことであり、制度実現に向けて議会も協力していかなくてはならないと考えています。選挙戦に入る前、自民党市議団有志において、横浜市側との勉強会をさせて頂きました。横浜市・川崎市、そして相模原市を含め、歩調を合わせながら実現に向けた取組を進めていかなければなりませんが、先ずは、本市においても特別自治市推進室を設置していかなくてならないと考えています。

 

横浜市政策局大都市制度・広域行政室との意見交換を含めた勉強会を実施

 

この取り組みについては、今回のみならず、不定期とはなりますが継続して皆様にご報告させて頂きたいと思います。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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