川崎じもと応援券【第一弾】の利用分析〜発行総額113.1億円!!市内経済効果について〜

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みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。

 

三度目の緊急事態宣言発令の方向性が固まってきた中で、今年も我慢のGWが国民に求められている状況にあります。
非常に感染力の高い変異株が猛威を奮っている中で、本市においても陽性者数の状況は、令和3年4月9日時点で9,351人(宮前区1,065人)だったものが、4月22日時点で10,015人(宮前区内1,211人)にも拡大しており、全国都市部と同様、第4波を受けている状況にあります。

 

新型コロナウイルス感染症対策が様々動いている中で、今回は5月31日までの利用期限となっている「川崎じもと応援券【第一弾】」の利用状況について、ご報告させて頂きます。もうすぐ期限を迎える「川崎じもと応援券【第一弾】」の利用状況を分析し、本市の施策が適正だったのかを考えていくことが重要と考えています。

 

川崎じもと応援券【第一弾】発行総額113.1億円!!効果について

令和2年7月20日〜令和3年5月31日の間で実施されている川崎じもと応援券【第一弾】の利用状況について、川崎市から4月22日に情報提供がありました。

 

これまでの利用状況について

 利用実績額 10,362,023,000円(約91.7%)
 ※()内は発行総額に対する利用総額の割合

 

利用店舗の登録状況について

 5,424店舗(飲食店1,844店舗、飲食料品店459店舗、その他小売303店舗、コンビニ408店舗、その他サービス557店舗)

 

 
 

店舗数
川崎区 1,134店舗
幸区 568店舗
中原区 1,203店舗
高津区 787店舗
宮前区 532店舗
多摩区 781店舗
麻生区 419店舗

 

業種別等利用状況(令和3年4月18日までの換金申請分)

次に、①業種別利用状況、②月別利用金額、③区別利用金額、④区別業種別利用上位一覧、を記載致します。

 

①業種別利用状況
 

項番 業種 登録店舗数 金額(円) 割合
1 飲食店 1,844 2,525,830,000 24.6%
2 飲食料品店 459 1,271,601,000 12.3%
3 スーパー 16 1,033,343,000 10.0%
4 コンビニ 408 717,452,000 6.9%
5 その他小売業 303 678,862,000 6.6%
6 リフォーム業 200 599,407,000 5.8%
7 その他サービス業 557 517,192,000 5.0%
8 理容・美容店 483 496,921,000 4.8%
9 その他業種 224 401,047,000 3.9%
10 ドラックストア・調剤薬局 119 379,535,000 3.7%
11 病院または医療機関等 282 375,834,000 3.6%
12 自転車販売 52 315,202,000 3.0%
13 衣料・身の回り品取扱店 144 303,803,000 2.9%
14 家電量販店 76 260,371,000 2.5%
15 書籍文具店小売店 22 180,640,000 1.7%
16 メガネ・コンタクトレンズ・補聴器 30 101,274,000 1.0%
17 旅館・ホテル 22 64,789,000 0.6%
18 クリーニング・コインランドリー 124 58,684,000 0.6%
19 ガソリンスタンド 5 21,339,000 0.2%
20 雑貨店 31 14,899,000 0.1%
21 100円・ディスカウントショップ 7 9,694,000 0.1%
22 ホームセンター 3 9,488,000 0.1%
23 楽器店 3 3,640,000 0.0%
24 おもちゃ・ベビー用品 5 1,176,000 0.0%
25 レンタカー 1 0 0.0%

 

②月別利用金額
 

金額
令和2年7月 13,660,000
令和2年7月 13,660,000
令和2年8月 386,584,000
令和2年9月 817,897,000
令和2年10月 1,844,804,000
令和2年11月 2,220,714,000
令和2年12月 2,177,233,000
令和3年1月 1,239,634,000
令和3年2月 805,112,000
令和3年3月 563,029,000
令和3年4月 293,356,000

 

③区別利用金額
 

金額(円)
川崎区 2,015,607,000
幸区 955,289,000
中原区 2,319,331,000
高津区 1,374,710,000
宮前区 1,487,155,000
多摩区 1,174,436,000
麻生区 727,326,000
市外(※) 308,169,000

  ※店舗は市内で、換金申請の事業者所在地が市外

 

④区別業種別利用上位一覧
 

上位1 上位2 上位3 上位4 上位5
川崎 飲食店 スーパー 飲食料品店 コンビニ その他サービス業
飲食店 飲食料品店 コンビニ 理容・美容店 スーパー
中原 飲食店 スーパー その他業種 飲食料品店 コンビニ
高津 飲食店 ドラックストア・調剤薬局 コンビニ その他サービス業 理容・美容店
宮前 飲食料品店 リフォーム業 その他小売業 飲食店 自転車販売
多摩 飲食店 飲食料品店 コンビニ ドラックストア・調剤薬局 理容・美容店
麻生 飲食店 その他小売業 飲食料品店 その他サービス業 リフォーム業

 

経済的損失の多い業種にとって効果ある施策となっているのか?

 川崎じもと応援券については、昨年4月当初から発令された一度目の緊急事態宣言下、いち早く取り組まれた本市独自の経済対策となります。このいち早くというのがある意味問題だと捉え、当時の議会はその議決にあたって紛糾したのも事実です。

 

当時の川崎じもと応援券を巡る論争については、以下記事からご確認頂ければと存じます。この記事は1万7千人を超える多くの人にご覧いただきました。
 

緊急経済対策「川崎じもと応援券」がなぜ問題なのか

2020.05.15
 
とはいえ、新型コロナウイルスについて情報があまりに少なく、大混乱状態にあった当時から比べれば、どういった感染対策が適切であるかがある程度確立された以降の施策としては、今回の13,000円x87万枚、113.1億円の発行に対して、利用状況をみても市内経済効果は一定程度あったと判断して良いかと考えています。

 

この第一弾は本年5月31日までの利用期限となっていますが、4月22日時点での約91.7%を鑑みると、この利用ペースで行けばほぼほぼ100%に近い利用額になるのではないかと考えられます。

 

第二弾の川崎じもと応援券の販売開始も始まりました。今回はプレミアム率20%ということで、12,000円の応援券となります。一度目の緊急事態宣言から一年以上が経過した中で、本当に経済的損失が大きい業種というのも感覚ではなく、数字として把握できるようになってきたのではないでしょうか。

 

例えば、上記の①業種別利用状況を見ただけでも、「飲食店」が最も高い割合を示しているのものの、登録事業者数はずば抜けて多いわけです。一方で、「スーパー」は登録店舗は10店舗であるにもかかわらず3位に位置付けています。「スーパー」はコロナ禍で在宅が進み、逆に売上を伸ばしているところも多い印象があります。飲食店が最も多い割合となっていますので、一見問題がないように感じますが、この点については更なる分析が必要です。

 

また、登録店舗における応援券換金のサイクルですが現状は2つ方法があり、①QRコードを読み込んで換金、月曜日までに集約が集まったものは同じ週の金曜日に振り込み。②販券を郵送、月曜日までに集約が集まったものは翌週の金曜日に振り込み、とふたつの方法がありますが、意外だったのが、②郵送方式の方が多いとのこと。やはり一枚千円の応援券一枚ずつについているQRコード読み込んでというのは、大量に処理する場合、時間がかかるためだと思われます。

 

今回は、定量的な市内における経済効果にフォーカスして、ご報告致しましたが、登録店舗の皆様からのご意見や事業に対する評価を把握することも大切です。
第一弾事業が終わり次第、市としてはアンケートを取る予定とのことです。それらの結果も注視していきたいと思います。

 

真に経済的損失を多く受けている業種に対して寄り添った施策を展開していく時期であり、それができる客観的数字も集まっている状況です。こういった点を引き続き、市行政と議論をしながら分析を深め、より良い施策を展開していけるよう善処して参りたいと考えています。

 

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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