みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
先日9月13日(月)、14日(火)にかけて、市議会第3回定例会における代表質問が行われました。
初日は自民党・みらい会派、2日目は共産党・公明党といった順番で行われ、自民党においては市議団を代表して、当方が担当致しました。
どういった内容を今回取り上げているのか、項目名だけ列挙すると以下のような形となります。
すべてを掲載することは難しいので、上記の内から黄色マーカーが引かれている部分について主な質疑の内容とその答弁について、ご報告させて頂きます。
尚、決算がメインの議会ではありますが、9月6日の記事で集中的に取り上げていますので、「令和2年度川崎市一般会計・特別会計決算見込の概要について」は除かせて頂きます。決算内容からみる川崎市の財政状況に関心のある方は、以下記事をご覧ください。
どうぞ宜しくお願い致します。
「市政運営の総括について」
<福田市長答弁>
また、市民の皆様にお約束をした政策につきましては、総合計画の第2期実施計画に事務事業として位置付け、市政に反映させながら取組を推進してきたところでございます。
具体的には、入院に係る小児医療費助成の拡充や、あらゆる差別の根絶を目指した差別のない人権尊重のまちづくり条例の施行、市民一人当たりごみ排出量の政令市最小の達成のほか、臨海部における30年後を見据えた戦略的なマネジメントの推進など、掲げた50の政策について、一定の成果をお示しすることができたものと考えております。
一方で、令和元年東日本台風による市域での浸水被害の発生や今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、この間、本市は大きな困難に直面しております。
災害に強いまちづくりや感染症対策など目の前の課題にしっかりと取り組むとともに、本市を取り巻く環境の急激な変化に柔軟に対応するため、脱炭素化や行政のデジタル化などの時代に対応した新たな取組を打ち出しながら、将来を見据えた中長期的視点に立ったまちづくりを進めていく必要があると考えております。
次に、「寛容と互助」の社会づくりにつきましては、誰も置き去りにしない、寛容と互助の社会に向けて、地域包括ケアシステムの構築や「かわさきパラムーブメント」のレガシー形成、SDGsの推進等について取組を進めてきたところでございます。
大規模自然災害が多発し、感染症による影響が続く現在、「寛容と互助」の考え方の重要性は一層増していると考えておりますが、今後は、そうした理念に基づく一人ひとりの行動を、いかに促していくかが大変重要であると考えておりますので、引き続き、誰もが自分らしく活躍でき、一人ひとりが助け合い支え合うことができるまちづくりに向けて取組を進めてまいりたいと存じます。
次に、市政運営における議会との連携につきましては、これまでの間、議員の皆様とは真摯に議論を重ねるとともに、定例会や委員会などを通じてさまざまな御提案をいただきながら、施策に反映させてまいりました。
また、危機事象への対応につきましては、限られた時間の中で、議員の皆様に臨時会における議案の審議や市民への情報発信などの御協力をいただいたところでございます。
市民生活の向上のためには、議会と首長がお互いに二元代表として一定の緊張感を保ちながら建設的な議論を行う関係が重要であると考えており、引き続き、議会の皆様と真摯に議論を重ね、両輪となって市政を運営してまいりたいと存じます。
「指定都市市長会「第4回多様な大都市制度実現プロジェクト」について」
<福田市長答弁>
次に、総務大臣との意見交換におきましては、指定都市市長会から、特別自治市の制度化に向けた議論を加速化すること等を要望したところでございまして、これに対し、総務大臣からは、今後、政府として検討を行う際には、指定都市市長会の議論も踏まえたいとの回答がございました。
次に、制度化に向けた機運を高めるための対応について、特別自治市は、市民サービスの向上に加え、圏域の発展や日本の国際競争力強化にも寄与するものであることから、指定都市市長会シンポジウムやインターネット等による情報発信とともに、指定都市を応援する国会議員の会や経済界への働きかけが重要であると考えておりまして、指定都市市長会や議会の皆様とも連携した取組を行ってまいりたいと存じます。
私といたしましては、県との二重行政を完全に解消し、無駄をなくした行政運営を可能とする特別自治市制度実現のため、大都市制度に対する機運が高まっている、この時期をとらえ、市民の皆様にそのメリットをしっかりとお伝えしながら、議会の皆様や他の指定都市と連携し、あらゆる機会を活用して国等へ要請し、引き続き制度化を目指してまいります。
「緊急事態宣言下におけるオンラインでの学校授業配信について」
<教育長答弁>
また、学校での学びは、関係性の中での対面的な学びや体験等により、コミュニケーション能力や社会性の育成を図ることが重要であり、対面での学習を中心とすることを基本と考えておりますが、まん延防止等重点措置に移行した場合には、感染の不安があり、やむを得ず登校を控えることを希望する児童生徒もおりますことから、これまでの取組を生かしながら、各学校の児童生徒の実態に合わせた方法で、オンラインを活用した学習支援を工夫してまいりたいと存じます。
<教育次長答弁>
9月1日以降は、各教室から、GIGA端末を用いて、黒板や大型テレビ、教員の映像を中心に、授業の様子をリアルタイムで配信するという形を基本とし、保護者の理解と協力を得ながら授業配信を実施しているところでございます。
実施状況につきましては、9月7日時点で、小学校で約12.0%の児童が、中学校では約6.5%の生徒がオンラインで授業配信を受けているところでございます。
次に、不登校等で欠席している児童生徒への情報提供につきましては、配信メールや電話などで、オンラインで授業を配信することを周知し、希望に応じてGIGA端末を配布し、家庭と学校の連絡、オンラインでの授業の受信、課題学習などの用途に活用しているところでございます。
また、課題といたしましては、家庭や地域での通信環境により、オンラインでの配信がスムーズにいかない場合があること、家庭へ貸し出したWi-Fiルーターの通信容量が不足する場合もあること、児童生徒が端末に不慣れでオンラインに参加できないケースがあったことなどがございました。
これらの課題に対しましては、画質の調整による通信容量の削減、Wi-Fiルーターの追加貸出、電話による操作方法の説明などにより対処したところでございます。
「新型コロナウイルスワクチン接種の推進等について」
<健康福祉局長答弁>
そのため、子どもへの接種に積極的に協力いただける医療機関に対しては、ワクチンの上乗せ配分を行なっており、こうした取組を継続しながら、ワクチン接種を受けやすい体制の整備を進めていく。
また、現在、12歳未満の子どもにつきましては接種対象となっているが、ワクチンの使用年齢の引き下げや新たなワクチンの承認など、国の動向に注視するとともに、市内の医療機関・関係団体とも情報共有を行っていきたい。
このことを踏まえて、本市の重症確保病床については、第5波に伴う感染急拡大に対応するため、市内病院の多大なる協力の下、従来の30床から66床に増床を行うとともに、中等症患者受入れを担う重点医療機関において、重症化した患者については、可能な範囲で自院での入院加療を継続していただくなどにより、重症病床数には表れないものの、実質的な重症者の受入れ枠を増やしているところである。
一方で、重症病床を含めてコロナ病床を確保するため、不急の手術や入院の延期について、県から県内医療機関に要請しているところでございまして、通常医療を縮小して緊急性が高い医療から対応せざるを得ないという影響が出ている。
今後については、更なる入院患者の増加も視野に、引き続き病床確保の取組を推進するとともに、病院の機能・規模等に応じた、コロナ医療と通常医療需要の受け皿の役割分担と連携に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。
次に、臨時医療施設の設置についてだが、新たな臨時医療施設の設置については、感染制御等の専門性を有した多数の臨床医療従事者の確保が最大の課題となっているところである。
通常の医療需要に上乗せされるコロナ医療への対応のほか、ワクチン接種の迅速な推進、及び自宅療養者への医療的フォローなど、県及び市内の医療機関・医療関係団体とともに総力を挙げて対応しているところであり、全県的に医療従事者に限りがある中、最も効率的な手法として、臨時施設に一時的な医療従事者を配置するよりも、日常的に従事している職場環境にて、組織的に診療等を行うことが最適であるとの考えの下、既設病院の病床拡大を優先して取組を進めているところである。
次に、日本医科大学武蔵小杉病院の旧病棟の活用については、市長への手紙で、本年に入ってから計9件の要望等をいただいたとこである。
本件については、病院・県・市の3者で協議を重ねた結果、限りある医療従事者等を新病棟に集中させることが、最も効率的であるとの結論に至り、旧病棟の活用ではなく、新病棟にて当初の予定を大きく上回る数のコロナ病床を確保した上、去る9月1日から患者を受入れていただいている。
また、9月6日現在、定員2,060人に対して、予約数は約800人で、予約状況を踏まえ、9月9日から新たに妊娠中の方と同居のパートナーを優先枠の対象に加えた。
次に、PCR検査による感染症の早期発見や、ワクチン接種による重症化予防は、いずれも妊娠中の方が安心して出産できる環境づくりを進める上で重要な役割を担うものと考えているので、両局で情報を共有するとともに、相互の取組の連携を図ってまいりたい。
抗原検査キットについては、県内で発生しているクラスターの多くは、小学校や保育園など12歳未満の児童が多数在籍する施設で発生していることから、これらの施設に対し、更なる感染予防策を講じる必要があるとして、神奈川県においては、抗原検査キットを県内の学校等の施設に配布する事業を行うこととなり、本市内の学校等にも配布させる予定となっている。
検査キットについては、学校等で使用するものではなく、家庭に持ち帰り常備していただき、同居の方であれば児童に限らず、症状が出た場合には、誰でも使用できるもので、登校や出勤を控え、医療機関への受診へと繋げるセルフチェック体制整備の位置付けであると伺っている。
今後迎える「決算分科会」
代表質問以降は、決算審査特別委員会が開会されます。
決算審査特別委員会はその名のとおり、特別委員会として、「決算」及び「予算」、両方の特別委員会が川崎市では行われています。
主に令和2年度決算内容について、各分科会(5つある常任委員会)で所管局する部分に関する審査が行われていきます。
当方は文教分科会の会長ということで質疑はできませんが、それぞれの委員が円滑かつ効率的に質疑が行えるよう、しっかり取り組んで参ります。
自民党に限らず自分以外の委員の審査を通じて、今後の川崎市施策がより良くなっていくことが大切です。
質疑が出来なくても、与えて頂いた重責、その役割をしっかりと果たすことで貢献していく所存です。
今回も最後まで呼んでいただき、ありがとうございました。