一般質問③川崎市立小学校の通学区域について~就学児童数の差と学区~

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一般質問③川崎市立小学校の通学区域について~就学児童数の差と学区~

みなさん、こんばんは。川崎市議会議員(宮前区選出)の矢沢孝雄です。
 
本日は一般質問で取り上げたテーマの3つ目、小学校の学区についてです。市全体では昨年150万人を突破し、人口増加が続く川崎では学校の存続自体が議論になることは勿論多くありません。ですが、就学児童数を各学校で見ていくと、児童数が多い学校とそうでない学校の「差」が非常に大きくなっている実態があります
 
宮前区の各小学校おいて、現在と5年後の将来にわたる児童数予測推移を調査しました。民間開発の状況は読めませんので、大型マンションが一棟できれば就学児童数は大きく変化します。その為、調査結果自体はこのブログでは公開はしませんが、現状のまま5年以降をみたときには、1学級1クラスになる可能性がある学校も出てきています。
 
一方で、就学児童数が千人を超えるマンモス校もありますので、地域の学校に子どもを通わせている保護者の方からすれば、学区を柔軟に変更して「均等化」できないか?と思われるのが当たり前だと思います。実際にそういったお声も多く、今回議会で議論することにさせていただきました。
 
以下、実際のやり取りとなります。

川崎市立小学校の通学区域について

矢沢たかお
次に、川崎市立小学校の通学区域について伺います。
 
人口増加が続く本市ですが、一方で、地域によっては、就学児童数の減少から小学校通学区域の変更を求める声が出ているところもあります。先ず、通学区域を変更することに対する考え方を教育次長に伺います。
また、現在本市の小学校における学級規模の推移と傾向を併せて伺います。
教育次長
①通学区域についての御質問でございますが、はじめに、本市の小学校における学級規模の推移につきましては、平成15年度に14校であった、小規模校にあたる11学級以下の学校が、平成23年度に2校、今年度は10校と推移してきたところでございます。また、今後の長期推計によれば、平成35年度には13校になると見込んでいるところでございます。
住宅開発や大規模工場跡地へのマンション建設等によって児童・生徒数が急増している学校がある一方で、地域の成熟化や少子高齢化を受け、児童数が減少傾向にある学校も見受けられる状況でございます。
次に、通学区域の変更につきましては、現状の通学区域は、学校の適正規模のほか、通学における距離や時間及び安全性、町内会等の地域活動など、多様な要素を考慮して設定しております。通学区域は長い歴史の中で定着して、地域住民の生活と結びついており、その変更は地域に大きな影響を及ぼす為、変更にあたりましては、地域の合意等、慎重な検討が必要なものと考えております。
矢沢たかお
通学区域の変更による就学児童数の均等化が出来ないとなると、地域によっては小学校の学級規模の縮小に歯止めが掛からないケースが発生してくることが懸念されます。学校自体の統廃合を検討せざるを得ない基準について教育次長に伺います。
また、併せて過去本市において、就学児童数の減少から小中学校の統廃合の検討が行われた事例について伺います。
教育次長
②学校の統廃合についての御質問でございますが、はじめに、学校の統廃合の基準につきましては、「既に6学級となっているか、今後6学級以下の規模になると見込まれ、通学区域内に大規模な開発も無い」学校について、小規模化の解消に向けた具体的な方策を検討してきたところでございます。
次に統廃合を検討した事例につきましては、8校について検討を行い、通学区域のほぼすべてが集合住宅となっており、急速に児童数が減少した地域にある小学校など、6校の統廃合を行ってきたところでございます。
矢沢たかお
小規模校における就学児童数の確保に向けた取組みを教育次長に伺います。
教育次長
③学校規模の適正化についての御質問でございますが、既存の住宅地における通学区域の変更につきましては、様々な要件を勘案し、慎重な検討が求められるところでございますが、通学区域の境において新たに集合住宅が建設される場合など、地域への影響が少ないと見込まれる場合には、通学区域を変更するなど、学校規模の適正化に向けた検討をしてまいりたいと考えております。
矢沢たかお
まちづくり局長に伺います。
小規模校の背景には市営住宅に居住する市民のライフステージの変化によるものが大きく影響しており、小規模校における就学児童数の確保にあたっては、まちづくり施策の観点も大変重要と考えます
先日、まちづくり委員会でご報告がありました「市営住宅における子育て世帯区分の新設及び定期借家制度の導入」をこういった課題を持つ地域にこそ、積極的に適用すべきと考えますが、見解を伺います。
まちづくり局長
④市営住宅における子育て世帯区分の新設等についての御質問でございますが、本市では、市営住宅において、子育て世帯を支援するとともに、団地内の自主的な管理活動やコミュニティの活性化を図るため、子育て世帯向けの募集区分を新設するとともに、子育て世帯の入居機会拡大等を図るため、この募集区分に定期借家制度を導入し、本年12月に募集を開始する予定でございます。
対象とする住宅につきましては、バリアフリー化の状況や立地条件など、子育てに適した環境を有することや多様な世代によるコミュニティの活性化の必要性などを考慮して、選定してまいります。
 
中原区では今回とは全く逆で人口増に伴い、新しい学校を作りました。その際、学区が大きなテーマとなりました。新しい学区に編入することになった家庭からすれば、これまで通っていた学校から新しい学校へ変わることに様々な感情を持つのは当たり前ですし、兄弟で違う学校に通うことになる家庭もあれば、学校の距離が遠くなることに納得がいかない家庭もあるかと思います。それでも、新設校という話なので設備は新しく、無線LAN環境が整い、より充実した教育環境で学ぶことができるとなるとまだ納得するかもしれません。今回のような小規模校になってきた場合の学区変更というのは本当に難しいことだということがわかります。
市営住宅への子育て世帯区分の新設などの取組みを含め、まちづくり施策といった観点でも地域の活性化につなげられるよう取り組んでいきたいと思います。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 


ABOUTこの記事をかいた人

宮前区選出、川崎市議会議員(自由民主党) A型/乙女座/丑年 菅生小・中学校→法政二高→法政大学卒業 2008年4月伊藤忠テクノソリューションズ入社 2014年7月に政治活動に専念する為、同企業を退社 2015年第18回統一地方選挙において初当選。現在二期目。 趣味:剣道四段、空手二段、書道(毛筆三段、硬筆二段)

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