文教分科会②:医療的ケア支援事業と特別支援学級

本日の文教分科会では、教育委員会所管決算に対する質疑が行われました。先日同様、答弁含めて一人20分。いままでも一般質問などでいくつか取り上げてきましたが、今回私は、特に「学校現場における医療的ケア支援事業と特別支援学級」に関する質問を行いましたので、補足説明含め、以下に記載させていただきます。

川崎市では、医療的ケア支援事業というのを平成24年6月から実施しています。この支援事業というのは、川崎市立小・中学校において、保護者が毎日付き添い医療的ケアをしているケースを対象に、週1回90分学校現場に看護師が訪問し、保護者の代わりにケアを行うものです。

(※医療的ケアとは、医師の指導の下に、保護者や看護師が日常・応急に行っている経管栄養、たんの 吸引等の医行為です。)

平成27年度決算では、この医療的ケア支援事業費は前年決算比較、約150万円増の1,036万円が執行されました。その内訳はほぼ看護師の人件費になります。
本年度から事業内容が、予算も増額され、看護師の訪問を週2回へと拡大されました。

以下、当方と教育委員会とのやり取り。
Q1.本事業を拡大することになった背景は?

A1. 
平成26年度に保護者を対象にアンケートを実施したところ、時間の延長や回数の増加などの要望が寄せられました。この結果を踏まえ、さらなる保護者の負担軽減を図ることと、児童生徒の自立に向けた支援の充実を目指す必要があるとの判断のもと、事業を拡大したところでございます。
Q2.医療的ケアを必要とする児童生徒が、他の児童生徒と同じ学校内で共存することの教育的意義は?
 
A2. 医療的ケアを必要とする児童生徒と、他の児童生徒が同じ場で学習活動を行うことは、個人や社会の多様性を尊重し、ともに支え、高め合う気持ちを育むことのできる大切な機会と捉えているところでございます。
今後につきましては、拡充した事業の効果と安全性について各学校を巡回し、検証をしてまいりたいと考えております。
私は、医療的ケアを必要とする児童生徒が、健常な他の児童生徒と共に一つ屋根の下で、できる限り一緒に学ぶ環境というのは、双方にとって教育的意義があると考えています。それは、私自身が学生時代に医療的ケアを必要とする子ども達と共に学び合う場がなかった為、社会人になった後でも、”多様性”への理解が不十分だったこと。社会人になった後、20年以上透析患者として、後半は車椅子生活だった叔父のことを見るようになって障がい者に対する気持ちが芽生えたということ。

今までの自責の念も込めて、これからを生きる子ども達には、小さい頃から”多様性”に対する理解を自然と身に付けていって欲しい。それが教育現場で大切だと感じています。
本事業、医療的ケア支援事業については、積極的に応援する立場で質問をしました。
今後は、事業の検証結果を注視していきたいと考えております。

次に、特別支援学級運営事業費について伺いました。

Q3.特別支援学級内では、特に医師・看護師のほか保護者、本人しか法律上認められていない医療的な行為が必要な児童生徒の対応に関しては、実施しやすいように環境設定してくれる学校と、そうでない学校とで、対応が異なるケースがある。その認識と、異なる対応があることに関しては是正すべきでは?
 
A3. 特別支援学級での医療的ケアにつきましては、児童生徒の生命にかかわる重要な取組であり、安全に実施できる環境の整備が必要であると認識している。
しかしながら、各学校により、実施できる支援の内容が異なっている状況は認識しておりますので、今後は医療的ケアが必要な児童生徒が、安心して学校生活を送ることができるよう、合意形成に向け、より一層の理解、啓発に努めてまいります。

教育委員会側でも、学校毎に対応のばらつきがあることを認め、今後より一層の理解、啓発に努めていくとの答弁でした。
これを具体的にどうやって行っていくのか、ケーススタディーをまとめてマニュアル化するのか、個別具体的な対応を研修していくのか、正直突っ込みたい気持ちもありますが、今回のやり取りで、教育委員会に認識していただいた部分もありますので、その第一歩だと理解し、経過を注視していきたいと思います。

次に、川崎市特別支援学級が設置できない学校の現状について伺いました。

特別支援学級というのは、学校教育法第八十条以降で、自治体側に設置義務があること、設置基準などについて明記されていますが、川崎市内ではこういった法律に基づいて運用している学区がほとんどなのですが、”すべて”ではないという現実があります。

上記を踏まえた上で、以下、質疑内容を記載します。

Q4.聖マリアンナ医科大学病院内にある院内学級について。本院内学級設置の経緯と、本市における位置付けは?

A4. 院内学級設置の経緯についてですが、平成6年度に聖マリアンナ医科大学病院からの提案を受け、病気やけが等で入院生活を余儀なくされる子ども達の学校教育の保証のため、2年間にわたり病院側と協議を重ね、平成8年度、同病院内に設置したところでございます。
 次に、本市における位置付けですが、長期、短期、繰り越しの入院等による学習空白によって、学習に遅れが生じることにより、退院後に学業不振となることも多いことから学習の遅れなどを補完する上で、院内学級は、重要な意義を有するものでございます。加えて、院内学級は、同じ時期に入院している子どもたちが互いに励まし合い、支え合う活動を通して心理的な安定を図るとともに、社会性を身につける大切な場となっていると認識しております。
Q5.院内学級が学区にあることにより、病虚弱の特別支援学級を持つことができない学校はどこ?
A5. 聖マリアンナ医科大学病院内の院内学級は、稗原小学校と菅生中学校の病虚弱特別支援学級として設置しております。従いまして、特別支援学級は在籍者が8人までで1学級設置するという「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき現状では1学級のみの設置となり、校内に、病虚弱支援学級を設置しておりません。

Q6.本市院内学級は、基本的に聖マリアンナ医科大学に入院している児童に対して、教育環境を提供するもの。
 稗原小学校、菅生中学校学区に住んでいる病虚弱クラスの児童は、本来なら通うことができる学校に通うことが出来ない。すべての学校が例外なく、病虚弱児童生徒を受け入れられるよう、対策が必要では?
 
A6. 本市では、地域で共に学び共に育つ教育を推進しており、児童生徒の教育的ニーズによって、可能な限り地域の学校で学ぶことが必要と考えております。
今後、稗原小学校・菅生中学校の病虚弱特別支援学級設置に向けて検討してまいりたいと考えております。

教育委員会にも必要性を認識していただき、前向きな答弁をいただくことができました。
長々とありのままを記載しましたが、今回の質問で、以下2点が進展しました。

①医療的ケアが必要な児童生徒に対する、各学校の対応にばらつきがあることを認識してもらい、是正に向けて努めてもらうことになった
②院内学級があることにより、特別支援学級が設置されてこなかった「稗原小学校、菅生中学校」への設置が検討されるようになった

 私は議員に当選させていただいてから今まで(まだ一年半ですが)、議会で取り上げている質問は、そのほとんどが地域の方々から頂いた相談や陳情がもとになっています。それから独自に掘り下げ、調査した結果、これは是正すべきものだと感じたものや、公式な場で質問すべき内容を自分の公約に照らし合わせて、取り上げています。

矢沢が今回、このテーマ「医療的ケア支援事業と特別支援学級」について取り上げたのも、地域のお母さん方からの相談がきっかけでした。
市政に関心を持っていただくきっかけとなったという意味でも、政治・議会で自分の身近な問題の解決に向けて議論されるという政治に対する希望的な意味でも、市民の一つ一つの声を傾聴し、自身の価値観やフィルターにかけつつ、丁寧に調査を行い、問題解決に向けて動くというのは、最も時間と労力のかかることでもありますが、市議会議員がやらなくてはいけない一番大切な仕事だと私は認識しています。

これからも多くのご意見をいただきながら、私自身も勉強を重ね、さらに地域に貢献できるようになりたいと思います。